第44章 ボーダーでの日々
思わずおろおろ&あわあわと
両手を制するように出しながら叫ぶ中
城戸「気付かずにいたことだけじゃない」
頭を下げたまま、再び言いだしていた…
城戸「私が、隣に居ながら守れなかったことに関してもだ。
お前の父…紅蓮と、約束をしていた。
『もしも俺が死んだら、ソフィアと恵土のことを頼む』と
私は、約束を守れなかった。
忘れ形見のお前を…
私が、目の前に居ながら…」
俯いたまま言い続ける城戸に対し、
恵土「何言ってんだよ!!
妻子の方が大事なのは当たり前だろうが!!!
(1310~1313ページ参照)
寧ろやられてて、そうならない方がよっぽどおかしい!!
お前は悪くない!!」
城戸「…それを、自分自身に対してでも言えるか?」
恵土「!!」
そう叫ぶ中、返ってきた言葉に目を見開く
城戸「お前は、言っていたな?
私のせいで、村の皆が死んだのだと…
私がいなければ、そうはならなかったはずだと……
それと同じだ。
それでも…
お前は、悪くないと言い切れるのか?
それは…
お前が今まで、そう思ってきたことを否定することと同じだぞ。
人に対しては許すのに、自身に対しては許さない点に関してもな…」
恵土「目を瞑る)………
否定できないな」
目を瞑りながら考え、ポツリと呟いた。
城戸「なら…どうする?」
恵土「そんでも関係あるか。
私はいいって言ってるんだ。なら気にすんな。
そう思って苦しむことを、苦しんでくれる人がいるって
私はもう解ったんだ。
なら…
深く考え込み過ぎて壊れる間なんてない。
それを知らないまま
後で知って、哀んで苦しんで怒る人だっているし
『辛いはずだろうに…話してくれてありがとう』って
肩に手を置いてくれる人だっている…
もう、解ってるんだ…
それを望まないってことぐらいは。
なら…それでいいや。
前に進まなきゃ、皆が笑えない(微笑)
それだけは解ったんだ^^
だから城戸さん…気にしないで(微笑)
今を生きなきゃ…
きっと、玲菜さんも菜津も哀しんじゃうよ(苦笑」
城戸「……そうだな(微笑)
済まなかった。らしくないことをして」
恵土「ううん。
私のためにしてくれたんだって、伝わってくるから^^(にこっ」
首を横に振りながら言った直後、笑い出した