第43章 飲み会(過去と今)
いつでも…人との間には、溝があった。
「近寄るなよ」
その言葉がぶつけられたのは、幼い時から…
でも、いつしか自分でも作っていた。
誰かが傷付かないよう、嫌な思いをしないよう距離を置いて…
そのために作ったはずだった。
それが気付けば…
勝手に飛び越えられて…今、こうして抱き締められている。
小南「あんたが勝手に作った溝なんて知らない。
私にはないから」
恵土「え?」
小南「どんな溝だろうが
全部無視して飛び込んでくって決めてるんだから!」
恵土「っぷw」
その言葉に、私は吹き出した。
長年、小南と一緒に居て
共に過ごしてきたからこそ、解る…
小南らしいと、思ったんだ。
恵土「くすくす)^^」
目を瞑って笑う私に
泣いていたはずの小南が、今度は怒りだした。
小南「ちょっ!何で笑うのよ!//(ぷんぷん」
頬を少し膨らませながら
納得いかないと今にも言いだしそうな顔をし、赤らんだ顔は…
小さい時から思っていたが、とても可愛らしく
もっと、傍に感じていたいと思えるようなものだった……
恵土「ありがとう、桐絵^^」
小南「ぼんっ!!)//////」
そう頭を撫でると、今度は凄い蒸気と共に真っ赤になった。
小南「わ、解ればいいのよっ!!////(ふいっ!」
この時、無理やり自身に向けることはしてはいけない。
何故なら…
小南『つ、伝わってないわよね?;
あーもう恥ずかしい!;もう死にそう!!;
恥ずかしい恥ずかしい!//;
ドキドキし過ぎて死ぬ!!////(かああああっ!』
心中ですっごくいっぱいいっぱいになっているから。
私は、この能力からか解ってはいるが解らない振りをしている。
だって、本人が気づかないことを望んでいるから。
それを知っていても知っていなくても、大事に想ってくれていることを
私は、知っているから…
だから…
恵土「ありがとう(微笑)
本当に、ありがとう^^」
何度でも、礼を言いたい。
助け出そうとしてくれた。
大切に想ってくれた、その人に向けての想いを…
今度はきっと大丈夫…
どんな自分であっても、受け入れ続けてくれる日々があるから
これからも、昔も、ずっと…
(3月21日PM11:54~22日AM3:08、1645~1651(7ページ)更新)