第43章 飲み会(過去と今)
二歳の時には、完全に全部が視えるようになったそれは…
その時から、生まれる前から苦しませていたものだと知ったのは
大きくなってからの話。
「ほら、おいで…^^」
私の可愛い道具
『ひっ!
うああああああああああ!!;』だっ!
「ちっ。感付かれた!
待て、このガキ!!」
いつもの優しい笑みは、どこにもない。
物陰に隠れていても…
気は休まらない。
「見つけたか!?」
「こっちはいない!!」
「探せ!!まだ遠くには行ってないはずだ!!!」
そんな怒号に似たものを見た瞬間、やな感じがした。
「!見つけたぞ!!」
ガシッ!!
髪を掴まれて、持ち上げられる中…
『助けて…嫌だ…嫌だっ!!』
心の中で強く念じた瞬間
次に発動されたのは、念動力だった…
周囲に弾かれるような衝撃波…
と共に、誰もいない所を望んだ。
そして…今度は、瞬間移動が。
余談だが、当時の1歳3か月の時から
玄界に帰る1歳半まで、全ての能力が目覚めてしまった…
『こんな力、なければ…;;
平穏に暮らせてたの?;』
震えながら左手を見つめる目が涙で滲んでは、何かがぽとぽとと落ちていく…
『皆、笑って…
あんなに血なまぐさい目を見せないでいられたの?;(ぐすんっ』
引きつられる声と共に、両膝を抱えた。
その当時、切り裂かれた時の傷は塞がっていた…
猫に爪で引っかかれたような傷と言われている。
私は、そういう説明はしたくなかったから…
結局、言わないままだった。
左腕前腕部中央、手の甲側に残った二つの切り傷は
今もそのまま残ってる…
あちらでは同様ではなく
霊能力で視え、誰かを傷付けそうになるのを
そんな自分を押さえ込もうと
自ら自分自身をナイフで傷付け、正気を保ったらしいが…
今はしんどくて倒れてる。もう誕生日なのに…
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そんな思い出が脳裏に一瞬でよぎり、恐怖で瞳が震える中…
歩み寄る人たちに対し、後ろへ下がる。
その運命は、どう転んでいく…?
(3月19日AM7:30~20日AM0:47まで合間縫いながら
一昨日(18日)と昨日(19日)と今日(20日)の晩に更新する分として1631~1644(14ページ)更新)
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