第43章 飲み会(過去と今)
白い光と共に、傷もなく
意識も戻って起き上がる急患の人を前に
「!傷が」
『へへ。凄いでしょ^^(キラン』
驚くのを見てから、皆へ振り向くと…
待っていたのは、絶望だった。
『?おじさん?みんな?どうしたの?』
何で、そんな怖い顔してるの?
何で、怯えるような顔をしてるの?
何で………
皆、黒いモヤに包まれてるの?
その直後
「近寄るな!!」
その言葉と共に、左手を伸ばした腕を斬り付けられた。
二度も
「!!
この血、傷に効くぞ!」
ナイフについた血が傷に触れた直後、傷が治った。
それを見るや否や、周囲の視線が…雰囲気が変わった……
「中身は人間か!?」
そう疑心暗鬼のような目と共に
黒いモヤがだんだんと広がっていくのを、感じると同時に視えた…
前にも、似たようなことがあった。
小さい時、傷を負うのが視えた。
予知夢と呼ばれるもので、当たるのが多かった。
だから、素直にそのままいった。
そうしたら…
「お前のせいだ!!」
口々にそう言われてははねのけられた。
そして、利用しようとする奴には…
どす黒く、まがまがしいオーラを感じられた。
私は走って逃げた。
やな予感がしたから、それこそ必死に…
「探せ!!」
「見つけたぞ!!」
「ばらせ!!殺せ!!!」
「やめろ!実験動物にするんだ!!」
何を信じればいい?
「こちらへおいで!
ほおっておけないわ!」
『!おば(微笑)
…!!(目を見開く)
…さん?(青ざめ』
そう手を差し伸ばして避難させようとする女の人に、黒い影が見えた…
自分から見て、右半分が黒い顔で目だけが光っていて
左半分がにやりと醜く、口と目が笑った姿が。
それに思わず、後ろに後ずさりながら青ざめる…
私が視えるようになったのは、それからだった……
「怖かったでしょ?おいで!」
表面は、いつものように微笑み
心配そうな表情を浮かべながら手を伸ばす顔…
だけど…視えてしまった……
視えないはずの、
(瞳が揺れる)
捕まえたらどうしようかしら?
まず睡眠薬飲ませて縛って閉じ込めて…
そうそうばれないようにのども潰せば
「どうしたの?気付かれない間に早く!」
早く来い!!何してるの!
『…(ゾクッ!!』
「本心」が