第43章 飲み会(過去と今)
やけ酒に巻き込まれそうになっていたが
俺は、それよりも恵土が少しでも…
いつまでも残る、残留思念みたいなもんを払いたかった。
闇みたいな
いつまでも悪夢となって責めてくるものから、助けたかった…
だから、俺は強く抱き締めていた。
肩を抱き寄せて、身を寄せるように…
恵土は、泣きながら
その服の裾を掴んでいた。
もう二度と、離さないように…
二度と、何かを失わないように……
見失わないように………
俺たちは、身を寄せ合っていた。
それを見て
風間「何の騒ぎだ?(じと目」
太刀川「ちょっ!!;
俺泣かすようなことしてないから!;
そんな目向けないで!;」
風間「そうか。後でじっくり聞くとしよう(溜息」
太刀川「何で信じてくんないの!?;(汗」
菊地原「日頃の行いでしょ?(じと目」
太刀川「んだとこの!!;(イラッ&拳握」
何でいっつもこうなんだよ!!;
なんてことがあったが…
俺は、本当によかったって思ってる。
今、幸せを感じてられているって
伝わるぐらい、輝いた笑顔を浮かべているから…
泣きじゃくりながらも、幸せそうに笑うそれは
見ていて、心底嬉しいというか喜びがあふれてくるものだった。
少しは、前に進めているのかもしれない。
各々、紆余曲折(うよきょくせつ?)っていうか
様々なことがあって、今ここに居る。
人によっちゃ悩みはそれぞれだろうけれど…
繊細で、真面目で、誠実なこいつの場合…
どうしても考え込み過ぎちまう。
『自分にできることは、他にもあったのに』って…
それでも、迅に言ってた言葉をそのまま返したいって思った。
その割に、人に対してはそんなことは求めない。
そうされる側の気持ちを知っているから…
責任はお前にあるって、それを強要されて…
存在そのものを否定されて、話す事に恐怖を覚えて……
それでも、迅に言ったあの言葉は
俺から見ても至極わかりやすくて、救いになるものだった。
その悩みは、迅と酷似しているからこそだと気付いたのは…
つい最近になってからだった……