第42章 飲み会(昔話)2
驚きで目を見開く中、俺は後ろ頭をかきながら言い続けた。
太刀川「小南が最上さんから教わったのと同じことを
迅もまた、託される時よりも前に知っていたんだ。
最上さんから、説明されて…
『だからこそ、なおのこと嬉しかった』
そう言って、満面の笑みを浮かべてたよ。
心底嬉しかったんだろうな。
それまで、必死になって向き合おうとしていた。
黒いモヤみたいな部分で
他の部分が全て、塗りつぶされたように視える中
必死に、大切な…見落としちゃいけない部分を見極めて
ちゃんと向き合おうと
闇をぶつけられても、どんな目に遭っても大好きだって…
大切なもんを見失わないように視ようと
大切にしようと、今も必死になってんだから…
それまでの想いがこもった品だって、当時の迅は知っていた。
だから余計に嬉しかった。
信じてくれた。託してくれた。届けようとしてくれた…
その気概も、覚悟も、信念も…
きっと大丈夫だって、信じてくれるもんの大きさは計り知れないから…」
恵土「…うん(微笑)
それに関しては、今はよく解るよ」
そう言いながら微笑み、俺の袖を掴んだ。
太刀川「微笑)…」
それを見て、俺は思わず微笑んで…
それから、思いを口に出していく。
いつでも真っ直ぐ向き合ってくれたように
聴いてくれたように…
太刀川「だから…
『視えちまった;』って泣きだした時…
すぐ、気付いた。
何かが視たくないもんが視えて、苦しんでんだって事ぐらいは…
『なら言ってみろよ!!』
って高圧的に来られる時
感じるのは
非常に鋭い視線だとか、突き刺すかのような拒絶とか
壁みたいな受け付けないみたいなもんだったりとか…
そういうのが強いと、その分読み取れなくなる。
そして、それよりも先に恐怖とかが感じてしまう。
だから難しいんだ、本当に…
感受性や感性が高い分、苦しみは倍増する。
些細なことでも、強く感じ取ってしまう…
だから、神様がご褒美をくれたんじゃねえのか?」
恵土「…へ?」
呆気にとられる恵土に対し
俺は真正面から向き合って、言い出した。
太刀川「きっと神様は…
あっちの世界で、理解者や共感者に恵まれないお前に
想いを与えたくて、来れるようにしたのかもしれないな^^
テレパシーって副産物と一緒に♪」