第42章 飲み会(昔話)2
恵土「…」
陽介「微笑)…
そんなに深く考えること、ないんじゃねえ?
お前は信じた。それでいいじゃん」
そう言いながら、米屋も近付いて頭を撫でだした。
太刀川「ムッ)俺のだ」
陽介「えー;」
恵土「なんで?」
『ん?』
恵土「なんで…そんなこと言うの?
もし、私が信じなくても信じて話せるの?」
声が涙が故か、鼻声になりながらも言葉が響く
太刀川「信じるも何も、話したいから話したんだろ?
素のままで、向き合いたかった。
勇気を振り絞って、話した。
なら、いいじゃねえか。
その結果がたとえ、嘘だって言われても
それで怒ったり憎んだり恨んだり呪ったり…
そういうのよりも先に、きっと…」
恵土「っく;」
太刀川「お前は、泣いちまう奴だ」
そう苦笑交じりに、今度は恵土の顔を直視して撫でた。
両目からぼろぼろと涙を零す顔を…
太刀川「その人に
そういう立場に立たせてしまうきっかけになったって…
逆に、申し訳ないって気持ちでいっぱいになっちまう。
そんでもって…
いじめられてんのに、いじめっ子たちに悪いことしたって……
お前は、人を責めることが極端に出来ないような奴だ」
恵土「あた」
太刀川「ん?あた?」
恵土「当たり前だろ。
そういう環境で育ってきたんだ。
どんなに辛い目に遭わされても、頑張って毎日通ったんだ;
それでもっ…
相手が悪いことしたみたいにするきっかけになってんのが心苦しくて…;
小4の時、何でいっちまったんだろって;;」
太刀川「そうだな…
あの時…
信じた気持ちは何だったのかって話になっちまうよな(なでなで」
きっと、辛かったんだろう。
やっと、話しかけてくれる相手ができた。
それが嬉しくてたまらなくて
気持ちが先走って、次々に言い出すようになった。
包み隠さず、正直に
真っ直ぐに、向き合おうとするかのように……
そして気付けば…
誰も、味方がいなくなっていた。
信じるものなどおらず、否定されるだけになっていった……
そしてあっちでは、今でも現在進行形でそうらしい。
全員が全員かは知らないが、テレパシーで無意識の内に伝わるってのは辛い。
そしてそれはこれからも続く…
そう見えているからこそ
そんな未来が、調子の良い時は感じ取れるからこそ……
今、こうなったのか。