第42章 飲み会(昔話)2
自分から見れば友達だったが
相手から見れば、一概に友達とは言い切れないような感じで…
自分にとっては理解者同然でも
相手にとって私は
そこまで相手のことを深くは知らない共感者というか
ああ、解るって感じの人で…
そういう風に考えているのが、見ているだけで解った。
太刀川「恵土…」
それを見て、辛そうな思いが伝わってきて…
思わず眉間にしわが寄る中
恵土が、俺たちのいる方へ振り返った。
恵土「それを押さえ込んで生きないといけないんだ。
そっちの方が、よっぽどいい。
理解に苦しませるぐらいなら、ない方がいい。
とっくに私は壊れてるんだ。
あっちの私も、こっちの私もそんなに変わらない。
どっちも辛い思いをして、精神も理解も全部壊れちまった(震」
俯きながら震える中、黒いオーラが増していく。
哀しみが増えていくと同時に、その両目から涙が零れ落ちながら…
冷たい雰囲気が止まないまま、無理やり笑った顔が見え隠れした。
黒いオーラに浸食されながらも
俺らに当たるまいと必死になっているのが、目に視えた。
恵土「言わなければよかった。
目に視える形で伝えなければよかった…
霊感だけでもいぶかしげなのに、そこまで伝えたらいけなかったってのに……
テレパシーに至っては、ずっと制御が効かないっ;
だからもう…
もう、いいんだ。
あっちの私は、こう考えているのだってテレパシーで伝わっちまってる。
いつになるかは知らないけど、あっちの人たちに伝わってしまってる。
今までだって、散々否定されてきたんだ。
理解者ができるまで、過去を知るまで
それを教えるよりも前に、語る前に…
全部否定されて、拒絶され続けて
気付けば、話しかけるなオーラが無意識の内に集中してる時に出てしまうぐらいになってた。
とっつきづらいだか何だか、好き勝手に言われるばかりになってって…
もう、知らねえや…
あんな世界、どうなろうが……
その苦悩も抱え込んでるもんも…
負担かけたくなくて
今でも必死に押さえ込んでることも、奥底までは聞こえないままだ……
もう…解ったんだ……
永遠に、理解されることなんてねえんだってことは………」
そう言いながら、うなだれて
黒いオーラが
『闇』をも遥かに上回る以上に、濃く、深くなりだした…