第42章 飲み会(昔話)2
拳を震えと共に強く握り締めながら、苦しそうにつぶやいていた。
後ろも向かないまま、視線は誰もいない廊下のままで…
恵土「こっちには…
今までも!
これからも!
信じてくれる奴なんて…(拳震)
いるわけなんざ、最初からなかったんだからっ!!」
それらは…声までもが感情で震えていた。
太刀川「お、おい?;」
陽介「何があったの、太刀川さん;」
太刀川「俺にもさっぱり状況が;」
そうおろおろしながら話し合っていた中、不意に再び声が響いた。
恵土「ふっふっふっ。
はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!^^」
いきなり両目を瞑って、笑い出した。
その声は、どこか狂気じみていて…
前に風間さんに聴いた、あの出来事(1220ページ参照)と同じように感じた。
陽介「ってやばくね!?;
なんか闇落ちしたサスケみたいになってっけど!;
ってか声も仕草も超似てる!!;」
太刀川「ちょっ!;一回落ち着いて話せ!!;
マジで一体、何があったんだよ!;」
そう叫びながら肩を掴むと、笑い声が収まった。
恵土「…落ち着いてるよ、最初から…
どこ行こうが、変わるわけなんざなかったんだ…
もう、どうなってもいいよ…そんな奴等なんて…・・」
眼光だけが光る中
恵土の全身を覆う凄まじく黒いオーラが、俺らの目にまではっきりと視えた。
それは、どこまでも冷たくて…
今でいう、恵土が村があった場所で戦った『闇』と
同じか、それ以上のものだったように感じた。
けど、当時の俺には何が何だかわからないままだった…
それでも
いつもが、どれだけあったかいかはわかっていたから
非常に冷たくなる何かがあったってことだけは解ってて…
太刀川「おい;ちょっ;
話してくんなきゃわかるわけねえだろ!;」
冷や汗交じりにそう叫びながら、今度は強く右肩を掴んだ。
今度は離されないように、しっかりと…
恵土「…視え、ちまったんだよ」
すると…
言い辛そうにしてから、うつむきながら言い出した。
太刀川「何が?」
陽介「れいのあっち側の世界でのって奴か?」
それは、2年ほど前から視えると言っていたものだった。
現実味はないが、本当なんだってことはよく伝わってくる。
意味のない嘘をつく奴じゃない上、つけないってことは知っているから…