第42章 飲み会(昔話)2
感情を露わに響くそれは
ずっと我慢していたそれまでもが、解放されたように聞こえた。
長年にわたって、押さえ込まれたそれが
高らかに響く中、周囲の人たちは涙ぐんでいた。
その当時、叫び声さえもろくにあげなかった。
何も言わなければ、誰も辛くないって思ってた…
吐露された感情は、一つ出れば
次々に連なっていくかのように、叫びに変わっていった…
ちゃんと面と向き合って、過去も知った上で受け入れてくれている。
過去を知っただけで、情報だけで決めつけられて
否定されてきた昔とは違う。
今、隣に在るのは温かい。
確かな人で、苦しめられてきた存在。
誰もが、人に苦しめられて救われて…
それでも、いつまでも抱え込んで言えずにいた。
少ししか話せなかった…
その当時に積もり積もったものまでは…
それを言葉にするのは、とても難しくて
多過ぎるが故に、言えないままでいた。
そのままでいいって思ってた。
もう、そんなものは言わなくても生きていけるって思ったから。
隣に居て、それごと受け入れてくれるって解ったから……
気付かぬ内に、第六感を応用した際に生じる
『テレパシー』が発動していたことに気付かぬまま
今だけは、気の済むまで泣いて泣いて泣き崩れた。
しゃっくりがあがっても、咳喘息のようになりながらも…
ただただ、必死だったのかもしれない。
そんな時は、もう…
二度と来ないって、思っていたから……
小さい時から、ずっと……
そう思って、生きてきたから……
望まないまま、生きるのが当然だった。
一時一時を乗り越えるので、必死だった。
その一時で感じた感情も、痛みも辛さも…
当たり前だって思い込んで、それが普通なんだって慣れて……
そうすることでしか、耐えられなかったんだ。
それが当たり前で、誰も味方なんていなくて…
支えようとしてくれる人なんていなくて……
父上と母上がいる時は、その愛情が支えになっていた。
(あっち(小説書いてる世界)では母と姉)
それでも…
それごと、全部がなくなってからは……
大切な人たちとのこれからも
大切な人たちごと奪われた苦しみも
その人たちに否定され続けても
最後には受け入れられたいなんていう希望も、死んだ