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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第42章 飲み会(昔話)2




風間「だが、恵土にもよく世話になっていたらしいが
林藤支部長の弟子としても頑張っていたという話だけで…

あまり多くは語ってはくれなかった。


トリオン量が多く、ゲートが開きやすいことは確定済み。


そのことにより
恵土から、身の安全のためにボーダーに入ることを薦められ

それから入って、林藤支部長の弟子になった方が合っているとのことで
恵土の紹介から、弟子につくことにしたそうだ。


おかげで、これまで大丈夫だった。

だが、あまりに急なことで…
咄嗟に、俺を庇うことしか出来ずにいた」

そう言いながら、口を閉じてうつむく


手元にあるグラスの水面が揺らぐ中

そこに映っていた自分の顔もまた、揺らいでいた。


その当時の感情を示すかのように

動揺や焦り、申し訳なさ…不甲斐なさ…


様々な感情が今、風間の心を占めていた…


風間「……

結局の所…
俺は、護られてばかりのように感じていた。

兄に護られ、恵土に護られ…
そして…恵土を護ること自体、完全には出来ないまま……


今まで、俺は救われてばかりだった

(月を見上げて、目を閉じて
殺された後で、かけられた言葉を思い出す)


『誰かを殺されたからといって、殺した人を殺せば

その殺された人は
『殺した人を死なせる要因となった存在』といったようになってしまう。


お前は…兄をそういう存在にさせたいか?

それよりも怒りに任せて、殺したいか?』

迷った俺に、問いかけてくれた。


『お前の中の殺された『怒り』と
殺された兄を、殺された今でも『護りたいという気持ち』…

お前の中では、どちらが大きい?』

生きる道と、その分岐点を与えてくれた…


『お前が決めろ。
お前の生きる上で、選ばなければいけない道だ。

お前の人生なんだ。
お前で責任取れる道を選べ。

後で思い出しても後悔せず
殺された兄が、笑ってられるぐらいの生き方をよ(微笑』



かけられた言葉は、今でも…どれも忘れたことはない。

酔っていた時、こいつは漢字を間違えるほど熱弁していた…」

そう言いながら、恵土の頭を撫でる。


風間「何度も、迷いそうになった。

それでも、それから引き戻してくれたのは…
全てを奪われてもなお、殺さずに護ることに徹するこいつの後姿だった」

そう呟く風間の眼は、とても痛々しく見えた…

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