第8章 神話
「お前…名は?」
恵土「恵土(けいと)。
田中家の次女、田中恵土!」
「…前言撤回だ。
お前はガキじゃねぇ。
かといって、大人でもねぇ…
俺たちと同じ
避けられない戦いと戦い続ける戦士だ!」
恵土「…かかってこないのか?構えるだけ?」
「…勘違いするなよ。
俺は…認めてやるって言っただけだ。
これからの戦いは別だ。
お前のような、トリオン量も質も強大な奴は
より重宝されるんでな。
神さまよぉ」
恵土「私は神じゃない。人間だ…
それに…
私は、争う気も戦う気もない」
「ほお…
じゃあ、やられるだけか?」
恵土「違う…
受けきるってだけだ…」
「ふっ…
なら、俺たちの攻撃を受けきってみせろぉ!!」
その直後、そのリーダーらしき男による
一方的な攻撃が始まった…
それは、2時間にも及び
ずっとやむことはなかった…
しかし…
恵土「…」
「はあ、はあ…
なんて奴だ…全部受けきり、やがった…;」息切れ
恵土「…よかった。傷付いてない…(微笑」
その中、そう呟いて嬉しそうに微笑んでいた…
背にある壁にもたれ、倒れかかりながら…
「…一つ、聴かせてくれ…
何で、そこまで
相手のために頑張れる?
他人だろ…
第一、そんなことをして何になる?
誇りのためか?慕われたいからか?
いい奴だと思われたいからか?」
恵土「…
私は、いい奴なんかじゃない…
人によっては、違うんだ…
見え方も、感じ方も、考え方も
培い続けてきた、常識でさえも…
だからぶつかる。争い合う。
最終的には、憎しみ合うことにもなる…
それでもさ…
私にできることなら、したいんだ…
相手が幸せに笑っていられるのなら
私は、本当に幸せなんだよ…
たとえそれが、自分でなくても…
それが未来に
共に笑顔で過ごすための、「大切なもの」だから!」
頭から血を流しながら、剣を構え
恵土「この剣だけは…
この想いだけは、誰にも折らせねぇ!!(真剣」
思いを露わに叫ぶ…