第41章 飲み会(昔話)
聴いたことがなかった、恵土の過去
二宮の想い、それらが次々に綴られていく…
共にした時が楽しかったが故か、微笑みを浮かべながら……
二宮「俺は…
人として、あいつを尊敬している(微笑)
どれだけ差別されたとしても、そいつを大事にしようとする。
たった一つの命として、大切な存在として向き合い
護ろうとし続ける。
そういうあいつだから、傍に居ていいとも思える。
簡単にできるようなことじゃない。
そういう時を過ごしてきた分、歪んだことが多いこの世界では
あれほどまでに真っ直ぐに生きることが、非常に難しいのだと否が応でも解る。
そして…
裏があるのではと勘繰られたり、勝手に決めつけられたり
様々なことがあっただろう。
それでも…
あいつは、そんな存在でさえも大事な命だと言って
護ろうとすることをやめなかった。
そういう人間は、おそらく…
世界中のどこを探しても、そうはいないだろう。
……
あいつは根っからの不器用で、要領が悪い上に
負けず嫌いな、心底人の幸せを願うようなバカだ。
誰にも、同じ苦しみや痛みなどの思いを味あわせたくない。
だからこそ、人のことを一生懸命考え続ける。
このままだと、いつかは倒れる。
解っているはずでも、止められないし止まらない。
…あいつには、才能はない。
だが、他の人にはない『唯一の才能』を持っている(微笑)
人が、人であるために大事なものを
あいつがいれば、否が応でも解らされる。
あぁいう奴こそ、徳が高いと言うんだろうな…」
二宮隊(穏やかに微笑んでるの、初めて見た//)
そう達観したように語り続ける二宮に対し
その穏やかな笑みに、思わず頬を赤らめる面々
二宮「それと、犬飼。
俺も最初の時、スカウトしてみたが駄目だった。
風間も太刀川も三輪も加古も東さんも断られたそうだから諦めろ。
入らない代わり、お前たちを推薦してきた」
『?』
二宮「入隊試験の後であるオリエンテーションで
恵土が毎回、見本を務めているだろう?
その時、入った新人で
『お前たちがいい』と判断し、紹介された。
他も同様に教えたらしい。
人に気を配ってばかりで潰れなければいいがな(ぼそ」
最後の一言を小さな声で呟く中、困ったような表情を浮かべた。