第41章 飲み会(昔話)
涙が目ににじむ中、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
怒られると思った。
大切にしてたのにって、俺でも思うと思ったから…
だけど、返ってくる言葉は
予期していたものと、全く違っていた。
ぎゅう
秀次「!」
いきなり恵土から抱き締められて、伝わってくる温もりに
思わず目を丸くする中、その言葉はつづられていった…
今も忘れられない、大切な言葉を……
恵土「それでも…秀次の方が大事なんだよ(微笑)
形があるものは、いつか壊れてしまう(花瓶を一べつする)
それでもね…
命っていうのは…
壊れてしまえば、もう二度と会えない」
解っていた。
両親と兄を失ったことで、もう二度と会えないことも…
なんとなくではあったけれど、解っていた。
そうでなければ、姉さんはあんなに沈み込むわけがないって…
薄々感付いていたから。
それを言いたいのだと、解った気がした。
恵土「私には、もう生きている血縁者はここ(玄界)にはいない…」
秀次「!!」
その言葉に、目を見張った。
考えれば解るはずだった。
住む場所もなく、一人でいた時点で…
恵土「でも…
私にとって大事なのは
ものよりも『秀次』っていう、一つの命なんだよ(微笑&なでなで」
そう、穏やかに微笑みながら頭を撫でてくれた。
恵土「秀次がいてくれたから、私はとても楽しかった。
一日一日が、一緒に過ごすだけで本当に嬉しいんだよ?^^(涙目」
秀次「…(うるうる」
その言葉に、目に涙をにじませた。
それは、俺の方だって思ってた。
いつも世話をかけたりしていた。
恵土の布団の中に勝手に潜り込んで、一緒に寝て…
おねしょをして、迷惑をかけたりもした。
だから…
父さんと母さんと兄さんが死んでから、沈み込んでいた。
そんな姉さんと、それを見て沈みそうになっていた俺を
いっぱい、助け出してくれた。
色んなことをして、毎日がとても楽しかった。
同じだと知れて、とても嬉しかった。
だから…
目に、次々に涙がにじんでいった。
視界が滲んでいく中、いつものように満面の笑みが向けられる。
逆に恵土が沈んでいる時
いつものように戻させたかった。
食材を無駄にすれば無論怒って
軽いじゃれ合いになっていた…
それでも俺は…