第8章 神話
アフトクラトルという国が出来る前
世の中は、戦乱で溢れていた…
一つに統一される前の状態だ…
そんな折、一人の光が舞い降りた
その光、とある場所に降り立ち
そのまま、その場から動かずにいた。
不思議に思い、近寄る者もいたが
即座に弾き飛ばされ、触れることも拒絶されたそうだ。
そして2000年も経った頃
不思議なただの光として認識されていたが
「神域」とされ、近付く者はいなかった。
無論、戦場にもならなかったらしい。
それにより、避難場所として移住する者もいた。
しかし…
そこを狙って、攻撃してくる者もいた。
血にまみれ、全てを奪われ
憎しみ、恨み、怒り、哀しみ、絶望など…
様々な負の感情がはびこっていた…
そんな中で、復讐を望まず
この悲劇の連鎖を食い止めようとする者が現れた。
すると、その光が応えるかのように
その者を包み込み、初めての王となった。
遊真「それって凄く強かったのか?」
レプリカ「ああ。
全員が全員、一瞬でやられるほどのな」
恵土「でも、トリオンの供給はなかったはず」
レプリカ「ああ。
しかし、その光で惑星国家ごと包み込み
統一し、一つの国となった。
それこそが帝国、アフトクラトルだ」
遊真「何をやったんだろうな」
レプリカ「自分の国だと
各々が言い張っては争い合っていたらしいからな。
おそらく、それによって得られる傷よりも
貴いものは何なのか
何のために闘っていたのか
本当に護るべきものとは…
それらを悟らせるために
意図的に送ったのだろうな」
遊真「本当に恵土そっくりだな」
恵土「ん~;
私、そういうことするかな?」
遊真「絶対にする」
レプリカ「少なくとも
そう断定できるだろうな」
恵土「…まあいいか」
遊真「それより、恵土の方はどうなんだ?
どういう時、降りてきたんだ?」
その問いかけに対し
恵土は遠い目をしながら、うつむいた…
荒んだ眼をしながら…