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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第40章 飲み会(大事なもの)




俺も、人のことを言えないのは解ってる。

太刀川さんから
恵土が近界民に村ごと全て奪われたことを教わる前に責めた。


あの時(105ページ参照)
太刀川が来る前に、恵土へひどいことを言ってしまった。

『血の繋がらない姉を失った程度で、俺の痛みを解った気になるな!!』


そう叫んだ時
目を見開いた恵土の表情が、未だに脳裏に焼き付いて離れない。

そんな中、人だかりができてきて太刀川が来て殴られた。


恵土の血の繋がった姉も
近界民によって操られていた熊に殺されていた。

熊を殺さず、近界民だけを倒していた。


…それなのに、俺は……

勝手に決めつけて
ボーダーに入って、今から3年半ほど前にひどい言葉をぶつけて


それから、結局謝れてない。


恵土「どした?秀次(もぐもぐ」

思わず、姉ちゃんと呟いた(106ページ参照)


謝ろうと呼び掛けた。

だけど…


それよりも、恵土にとっては想いを語る方が多かった。

当然だ。
ひどい言葉を言って、辛いことを思い出させたんだから…


秀次「…恵土、あの時は悪かった。

失う辛さを、知らないわけなんてなかったのに俺は…」

恵土「気にすんな。

私だって
ずっと家族や親戚については、だんまり決め込んでたんだ。

お前がそんなに感じることでもないだろ?」
秀次「そうだとしても!!」


恵土「?」

秀次「俺は…
あんたと一緒に入れて、本当によかったって思ってるんだ。

あぁいう言葉をかけるつもりなんて、本当は…」

(そう言いながら

当時の後悔と共に震える中、秀次は恵土を抱き締めた)


恵土「!」

秀次「俺も解ってないのと同じだ…

同じ痛みなんて、俺には解らない。

家族全員を近界民に殺されたわけじゃない。
殺されたのは姉さんだけだ。

家を近界民に壊されたわけでもない。

全てを壊され、全てを奪われ…
そんな目に遭ったお前を解ってやれるかといえば

ほとんど皆無に等しい」
恵土「おい」

秀次「全くわかってないのに解った気になって
あぁいう風に言って…俺は!」
ばしぃん!!

恵土「いい加減にしろよ、秀次。

私は、そんなつもりで言ったわけじゃないぞ」

そう俺の頬を叩いた恵土の目は真剣で…とても鋭かった……


(2月26日PM0:45~PM6:19更新、1472~1480(9ページ))

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