第40章 飲み会(大事なもの)
ボーダーと提携していないお嬢様学校に、私は通っていた。
広報やテレビの仕事をしていくうち、距離を置かれていた。
友達になろうとするのも、サインを求めようとする人だったり
恵土先輩の弟子ということで、違った目を向けられるようにもなっていた。
でも…
この人は、全く態度を変えない。
恵土「だ、大丈夫か?木虎;
私のおごり放題ってプレゼント気に入らなかったのか?;」
緑川「もしかして白ヒゲが気に入らなかった?;」
恵土「ええ!?;これ気に入ってたのに!;
ちっさい時に秀次大喜びしてたのに!;
まあ、私が久しぶりに来てくれたのもあったんだろうけど;」
緑川「ってその人、誰?;秀次」
恵土「あ、いや^^;
あっはっはっ;(苦笑」
怪我をして死にかけたのに
それでも、態度を変えずに
入院中
恵土「お前は気にしなくていい」
木虎「え?」
恵土「私が護りたくてそうしたんだ(微笑)
トリオン体でも、お前に傷付いて欲しくなかった。
だから、そうしたんだ。
二度とやらないよう気を付ける。
でも、お前が大事な存在であることは変わらない。
だから木虎。
お前のためにも、私のためにも強くなれ。
そうして…
誰かを護れる、大切な存在を護れる人となってくれ。
どうしても負い目を感じているのなら
それだけ、叶えてくれないか?^^」
木虎「…はい;(涙」
そう満面の笑みを浮かべながら頭を撫でてくれた。
その温かさが、昔から大好きだった。
覚えてないかもしれないけれど…
私は、まだ覚えている。
あの時、近界民から助けられてから
南西へ向かうように言われて(458ページ参照)…
それから私は泣きじゃくっていた。
その向き合った近界民への恐怖も、まだ収まってなくて
そんな時、頭を優しく撫でられたことも
恵土「綺麗な髪だな(微笑」
そう褒められて、思わず呆気にとられたことも…
恵土「いけるか?
大丈夫。お前の行く先はトリオン兵はいない」
木虎「…本当?」
恵土「ああ^^」
私は忘れていない。
そう言いながら優しく頭を撫でて
南西を指さして、走っていくように言われたことも。
私を大事そうに
慈しむような、優しい眼差しと笑みを向けてくれたことも…
それを見て、心の底からとても安心したことも……