第40章 飲み会(大事なもの)
恵土「え」
木虎「私だって、あなたに助けられて
ボーダーを志したんです」
そう言いながら、引っ付いていた胸から顔を離しながら
その瞳を見つめ、語り出した。
木虎「無茶も危険も承知の上で
それでも護り抜こうとされて、嬉しかったです。
あの時…
第一次侵攻の時、そうでなかったら私は殺されてました。
小さい時、いつだって
そういう風に護り抜いている背中を見て…
テレビでも、私が実際に助けられた時も!
だから憧れて、何度でも食らいついていけたんです。
あなたの…
どんな風にされても、愛してやまないっ
そのひどいことをしてきた人でさえも、大事にしようとする想いにっ
そんな人だから、私はあなたみたいになりたくて…(涙震)
長年伸ばしてきた髪も切って
あなたみたいになりたかったから!
私はっ…
あなたに弟子入りしたくて;
だから恵土先輩…
あなただけが悪いんじゃないんです;
そんなに気負わなくていいから
あなた自身を、もっと大事にしてあげて下さい;
無茶をしても無理をしても、私が護りますから;;
そのために私は、弟子になったんですから!!」
そう涙ながらに叫びながら
真剣な眼差しで、恵土を見つめていた。
恵土「!」
木虎「確かに…
あの時の失態は
いつでも残っているし、心苦しいです。
でも、それ以上に私を求めてくれた。
いつだって認めて、信じてくれた!
それが、とても嬉しかったんです!!
何も変わらず、それどころかそれ以上に愛して…
バレンタインだって、ホワイトデーだって
何だって関係なしに、愛してやまないでいてくれて…
本当に、とても嬉しかった;」
そういう中、想い出が次々に思い浮かんでいた。
木虎「怪我を負ってもなお、一緒に居てくれた」
1年前の2月
恵土「木虎、何が食べたい?」
木虎「?どうしたんですか?いきなり」
恵土「いや~。
ほら、お前が入ってから嵐山隊が上がって
それからボーダーの取材だかなんだかは任せっきりだろ?
だから、何かおごりたくなってな^^」
ボーダーから公園へ差し掛かった時、いきなり言われた。