第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
秀次「だから…
お前が関わるせいで不幸になるなんて思うな。
生きていれば、嫌な思いをさせることだってあるが
それだけじゃないのも知っているだろ?
…だから、俺が何でも聴く。
言いたくないなら、ぶつけられるように目を離さないで
何度でも喧嘩だろうが何だろうがしてやる(微笑)
だから恵土…
一人だなんて思うな」
その顔は真剣で、その目も眼差しも同様だった。
恵土「…秀次」
秀次「…恵土」
見つめ合う中、また言い続けられた。
恵土「そうだな。
あんなことがあったけど…今は違う。
今はもう、気付いたんだ。
同じ道でも、その礎は変わってて
人それぞれによって、成長の過程だとかその時々の環境が変わってる。
その基盤が違う分、歪であればあるほど違った形になって表れている。
それに気付かないまま大きくなって、それから気付いただけだ。
でも、その環境からここまで大きくなるのには必要だったもので
間違ってるって解っても
その時においてはそうじゃなきゃ生きてこれなかったって思ってる。
安心できなくて、納得し切れなくて泣き続けるばっかだったと思う。
それよりかは、あぁなって良かったって思うんだ。
そうじゃなきゃ…きっと、耐えられなかったから。
きっと、今もこうやって笑い合えることなんてなかったと思う。
一人じゃないんだ。分け合っていいんだ。
辛い時につらいっていうのが、私にとっては本当に難しい。
自分がそういうことで少しでも負の感情を抱かせたくないから。
それが相手のためになるって、負担にならないから助かるって
そう勝手に決めつけてた…
でも、違うんだよな?^^
お前にとっては、生きててほしくて
無事でいて欲しくて、それで怪我なんてして欲しくなんてなくって…
ましてや、病気なんてして欲しくないんだよな」
秀次「頷)ああ」
恵土「秀次…解ったよ」
秀次「?」
恵土「生きるって、戦うことだけじゃなくって
自分を護れなきゃ、護りたいって時に護れないんだよな」
秀次「!」
恵土「心も体も、両方共に。
感情を暴露して、ぶつけて…
そうして少しでも
過去のしがらみからも
フラッシュバックしたりとかで降りかかる闇も
乗り越えられるよう頑張ってもいいんだよな?」
その眼差しは澄んでいた。