第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
恵土「それが辛くて、どうしようもなかった。
目の前の先に、ぐいぐい押し付けられる感覚ばっかだったから。
でもそれは、脳からのSOSだったんだ。
きっと、もう限界だって伝えるための…
だからさ、秀次…
本当の意味で生きるとか、大切にするとかまではきっと時間がかかると思う。
戦うことが、生きることだって思ってた。
相手のためにも、戦って…それがきっと、全ての幸せにつながるって思ってた。
でも、私はその方法を間違えただけだったんだ。
掛け違えて
それが連鎖的に間違って、歪になってるってことに気付かずに今まで生きてきた。
傷付けられるのが、当たり前だってことのいびつさに…」
秀次「本当にな(溜息」
恵土「ガーン!;)そんなに!?;」
秀次「普通気付くだろ。
俺がそうじゃないって時点で」
恵土「無理!;(両腕クロスでばってん表示)
だって、そうされるのが当たり前だったから!;
そう刷り込まれて普通だって感じるようになってたし!!;」
秀次「……今は違うんだろうな?(ギン」
恵土「全然違います!;
保証します!!;(たらたら」
そう叫ぶように言いながら、冷や汗をだらだらと流す中
秀次「…ならいい(微笑」
そう微笑みながら抱き締められ、頭を撫でられた。
恵土「!!」
秀次「俺は、お前がいてくれて助かった。
姉が死んだことも、受け入れられなかった。
説明した後、あぁやって泣き叫んでいた時…
ついさっきまで生きていたのにって、認めたくなかっただけだった。
死んだことも、ついさっきまで生きて
幸せを望んでくれたことも…
それを認めてしまったら、本当に死んだってことになるんじゃないのかって恐怖が、俺の中に渦巻いていた。
それでも、お前がいたから乗り越えられた。
前に進むために、修業を付けてもらうことにもなった。
(未来への進撃章、秀次の回想ページ参照)
だから俺は、お前がいてくれてよかったって思ってるし
そのおかげで、今生きている。
命をもらって、命が生きているのと同様に
なくていい命なんて一つもない。
そう俺に教えてくれたのが、お前だ。
俺は、お前にもそう思っているし
それは一生変わらない」
その目は、小さい時から見ていたのと同じ
真っ直ぐな眼差しで、その顔には笑みを浮かべていた。