第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
今度は、俺が何度でも止めるから。
お前が間違いそうになったら、何度だって立ちはだかるから…
安心して、全部ぶつけろ。
涙も、想いも…
あいつらだって受け入れるし受け止める。
今更過ぎるだろ?(微笑)
受け入れさせないなんて言うなよ?(笑)
死んでも死ぬな。何度だって帰って来い。
俺が、何度でも受け入れるし受け止める。
どつこうが何しようが、それごと俺はお前を愛している。
だから……
俺の前から、いなくなるな」
それを聞きながら、恵土は涙をぼろぼろとこぼしていた。
その言葉が、とても嬉しかった。
哀しいはずだった心が、一気に温かさで埋まっていった。
恵土「あり…がっ;
ひっく;……ありがとう!;;」
その温かさに、秀次の胸に顔をうずめながら泣きじゃくっていた。
恵土「秀次…生まれてきてくれて…
出会ってくれて、本当にありがとう;;
ありがとうっ;;」
そう肩を震わせながら絞り出すように、声を出して言い連ねる。
それを撫でながら、再び秀次は言葉を紡ぎ始めた。
秀次「大したことはしていない。
お前は、礼を言い過ぎだ。
そんなに気にしなくていい。
もう、言わなくても解ってる。
一つだけのことでも、どれだけ感謝を感じているのかも…
お前が、どれだけ思い遣っているのかも……
だから恵土、そんなに気負わなくていい。
それが逆に恵土を苦しめて、俺たちも苦しませることになる。
少し気負う程度ならいい。
でも、気負いすぎて自分を潰して殺そうとすれば
本当の意味で人のためにならない上に、人を殺すことになる。
解っているだろ?
本当は、迅が俺にあぁ言った時に…
だからいいんだ。
もう、大丈夫だから…
だから恵土…
礼を言うのは、俺の方なんだ。
いつだって、離さないでいてくれた。
どれだけ突っぱねても、大切に…真っ直ぐに向き合い続けてくれた。
全力でぶつかっては、笑い合って…
それが
本当に楽しかったし、嬉しかった……
まだ、近界民を憎む気持ちは変わらない。
でも、俺にとっては…
お前が、生きる目的なんだ」
そう言いながら、その目を真っ直ぐに見つめた。
涙ながらに、その言葉を聴き逃すまいと
いつでも真っ直ぐ見つめてきた、優しい目を…