第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
目と目があった瞬間、感情が次々に溢れ出てきた。
止められない感情が、そうさせていた…
秀次「姉さんが…!!;
姉さんがああああああ!!!;;」
恵土「秀次」
秀次「ひっく;うっ;
うあああっ;
うああああああああああああああ゛あ゛あ゛!;;」
途中から、声が引きつっていた。
そして、落ち着くまで抱き締め続けていてくれた。
しがみ付きながら、服を握り締めながら
泣きじゃくり続ける俺をなだめるように…
抱き締めたまま、背を優しく撫でて……
その時、二人は何も言わなかった。
何も言わずに、受け入れていた。
そんな中、迅は報告した。
迅「…この地区で生き残ったのは、彼だけのようだ」
恵土「そうか…」
その時になってから後で、初めて知った…
恵土が、ボーダーの一員であったことを…
初めて会った、あの時よりも前からそうであったことも…
恵土「秀次」
秀次「ビクッ)!;」
俺はまだ、座ったままでいた。
姉さんの前で、まだひざまずいたままでいた。
まだ、姉さんを抱きかかえたままで…
目の前に座る恵土に
思わず後ろに下がろうとしたが
いきなり、姉さんごと抱き寄せられた。
恵土「良かった…お前だけでも無事で…
ごめんな…;(ぽろっ」
秀次「!…(涙?」
ふと顔を上げると、そこに見えたのは…
恵土「気付くのが遅れて…
帰って来るのが遅れて…本当にごめん;;(ぼろぼろ」
申し訳なさそうに謝りながら
俺たちを抱き締めて、泣きじゃくる恵土の姿だった…
それに俺は
秀次「謝るのは、俺の方なんだっ;
近くにいながら、護れなかった!;
目の前にいながら、護れなかった!!;;
俺なんかは…死んだ方がっ;;;」
涙をぼろぼろ零しながら
抱き寄せていた姉さんを、より強く抱き締めていた。
声を詰まらせながら
胸中の想いを伝えようと、紡いで……
だが、その直後に声が響いた。
迅「そうすれば、恵土はもっと哀しんだ」
秀次「!」
迅「恵土はどうなってもいいのか?秀次」
秀次「…(ぎり)
…黙れ」
迅「お前にとっては、その程度だったのか。
恵土も、お前を護ろうとして幸せを願った姉さんも」
秀次「黙れ!!」
迅「お前のやろうとしていることは、そういうことだ(黒睨」