第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
秀次「姉さん!姉さん!!」
心臓を貫かれ、動かない姉が横たわっていた…
それを抱きかかえながら必死に呼びかけ揺するも…
何も応答もなく、雨に打たれるばかり…
秀次「っ…姉、さっ…;(震え」
不意に涙が零れ落ちる
頭の中が真っ白になっていく…
どっずぅん!!!!
そんな音と共に、土煙が上がった。
秀次「!」
その音がした場所に目を向けると
迅「これで、最後か」
最後の一体を倒して、そう迅が呟いた所だった。
そう
そこに通りがかったのが…迅だった…
俺は、そう思っていた(444ページ参照)。
だが、実際はそれよりも前にいたらしい。
それに俺は、気付けないまま
姉さんにだけ、意識を集中させていたんだと後で解った。
そして…
時は繋がる……
秀次「助けて!!
姉さんが……!!
姉さんが死んじゃう!!
姉さんを助けよ!!」
涙ながらに、必死だった。
藁にも縋る思いだった…
すぐ姉さんを抱き上げながら
近くにいた迅に、そう叫ぶ中…
俺は、気付いてなかった。
その俺たちの周囲に
姉さんと同じような死骸が、山ほどあったことに……
迅「…悪い…助けることはできない」
秀次「何で!」
迅「…その人は…
もう、死んでいる…」
秀次「!!」
その言葉に…
ようやく、我に返った…
目の前にあるのは、姉の死体と…
その死を宣告した迅…
そして…
そして認めたくない事実が、交錯する中
ざっ
恵土「…(目を見開いたまま固まる」
ちょうど、その時だった。
恵土が、俺たちのいた場所に駆けつけたのは…
必死に駆けつけたのか
トリオン体(白地に青いラインの入ったジャージ姿)になっている恵土が現れた。
迅「!…恵土」
秀次「…っ;」
ざああああああ
雨の音だけが鳴り響く…
近界民(トリオン兵)が無くなった今…
響くのはただ、泣き声と涙だった…
ざっざっ
恵土が歩み寄る中
恵土「…秀次、姉さん」
各々の名を呼びながら、各々を見やっていた。
そして隣に来た時…
秀次「っ…;
姉さんが…!;
姉さんがっ…!!;
うっ;
うああああああああああああああああああああ!!!!!;;」
恵土にすがりながら、泣き崩れた。