第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
当時の恵土のトリガーの中身については1377ページ参照。
右手のは、ハウンドを中身にすることによって
トリオンを感知して追尾する『旋空』や
左手のは、恵土がトリオン兵独特のトリオンを察知して
バイパーの中身に切り替えての『旋空』などを
次々に、近くの敵を切り刻みながら光速で撃ち出していき
一気にトリオン兵を、次々に切り裂き続けていった。
当初、遠征艇で近界についたと同時に
あまりにも戦力が小さ過ぎることから異変に気付き
すぐさま、こちらへ戻るように指示した。
そして、遠征艇が空間ごと移動するように到着を速めていたが
こちらに着くまでに
こちらの連れ去られるはずだった人たちが乗せられた船を移動中に見つけ
即座に半数ほど、超圧縮型アステロイド
バルブを物質以上の密度にして空間に干渉するようにするという応用を使って
バリアーを作り出し
こちらの人たちだけを包み込んで
分子レベルに結合を弱め、助け出すようにしたらしい。
そして、遠征艇がこちらへ到着したと同時に
その助け出した人達を、ボーダー本部へ託してから
すぐさま恵土は駆けだしていた。
遠征艇が三門市についたのは、ちょうど夕方で
夕日が明るく照らし出していた時だったらしい。
それからすぐ木虎を助け出したとか。
本来、死者や行方不明になるはずだった人数が
半数(369ページ参照)に減ったのもそのためだったらしい。
実際、600人の死者と
200人の行方不明者だけとなった。
当時に見られるはずだった被害よりも激減していたため
非常に助かったともいえると同時に
名誉市民の称号を得たらしいが、本人は興味なさげだった。
だが、彼女がボーダーにとっての最終防衛ラインで
ボーダーの象徴とも言える存在には違いなかった。
そして走り出してから、ものの数分もかからずに
走っている最中に、姉さんを見つけた。
秀次「ほっ)よかった、(姉さんは)生きてる」
建物と瓦礫の隙間から、姉さんの背が見えて
俺は笑いながら呟いて、そこへ向けて走る速度を強めた。
だが…
その直後に映ったのは、別の光景だった。
秀次「!」
そのすぐ近くには
今でも見たことのないような、でかい近界民がいた。