第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
そしてそれは…
恵土「いつも、そうだ;
私が迷惑かけてバッカで;
私なんか、いない方がよっぽどよかった;;」
そう声をひきつらせながら、両目から涙を流した直後だった。
恵土「?秀次?」
その温かさに、安心したような
呆気にとられたような顔を見る中…
その時、俺の脳裏には
ある思い出が脳裏によぎっていた。
2011年6月7日(火)…
第一次近界民侵攻が起こった。
今からすれば4年と8か月前(2015年12月からすれば4年半前)
いきなり、黒いゲートに包まれていた。
当時、平日の火曜で
学校も電波塔も機能せず、その攻めてきた敵には軍も通じない。
そんな中、俺たちは必死に生き延びていたはずだった…
学校から出て、大学にいる姉さんと合流しようとしていた。
陽介もまた同じ学校だったが、家族の所へ行くとのことだった。
その当時は事態が起きてからすぐだったから、携帯がまだ通じていた。
陽介もまた同じ学校にいたが
家族の所へ行くとのことで、俺たちは別れて動いていた。
東三門とは違う場所だったから
家も壊されることもなく安全だったらしいが
俺たちの家もまた、奇跡的に無事だった。
大学にいた姉さんと俺が合流した矢先
近界民が攻めてきて、安全な場所はないと知った。
と同時に、人の多い場所に集まってくるのだと知った。
そして、走って逃げていた。
食糧をすぐ調達できるような場所を転々として…
1日も常に続いた攻防は、俺たちにとっては非日常でしかなくて
一時も安心できる時なんてなかった。
そして分かったのは…
人のたくさんいる場所に集まろうとするということ。
瓦礫の中、人のいない場所で
姉さんは両膝を抱えながら、俺は普通に座ったままでいた。
姉「ごめんね。学ランのままで…
ショッピングモールなら服も食べ物もあるし、取っt
秀次「いらない」
姉「え?」
秀次「姉さんが傍にいればいい(微笑)
恵土は、きっと大丈夫だ。
仕事で他府県に行くって聞いたから。
それに、この毛布だけでも温かい(微笑)
だから大丈夫だよ、姉さん^^」
その言葉に驚いたのか、目を見開きながら尋ねる姉さんに
俺は、安心させたくて笑いながら言った。