第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
走り寄っていく中、走る道が光によって照らされる。
その光を背に恵土が微笑みかける中、迅は微笑みながら走っていた。
遠い昔、土手の上の道を
夕暮れを背に満面の笑みを浮かべながら手を差し伸べられ
それに嬉しく感じ、喜びと共に微笑みながら
駆けだしていった、あの時の光景と重なる。
そして…
これからも共に……
そう走り寄る中
想い出がよぎり、目が細まる。
祝われたり(誕生日を盛大に祝われる光景が浮かぶ)
悪夢を見たり(予知で視ながら助けれなかった光景以下略)
悩んだり(雨にうたれながら土手の坂の原っぱで考え込む)
求められたり(ここに居ていいんだよ。と恵土から笑いかけられる)
託されたり(サングラスをかけられ、本当にいいのか聞くと
『届けるよ。
彩も、今まで背負って乗り越えてきた想いも。
これからお前が幸せになれるよう、願いを込めてさ』
そう微笑みながら言い
最後に満面の笑みを浮かべながら、頭を撫でられた。
俺はその時、嬉しくてたまらなくて泣きそうになってた)
迅(これからもきっと、辛いことだって一杯ある。
恵土が死に掛ける未来を変えられず
風間さんとぶつかったり、喧嘩みたいになったり…)
それでも…
俺は、託されたから……
この、未来を視える力で
恵土「見たくないのなら見なくていい。
たくさんの視える未来の中で、最善を尽くせばそれでいいんだ。
全部、お前が背負うことなんてない。
私だって、同じなんだ」
迅「!
…え?(驚いて立ち止まる」
恵土「私も、その未来を変えられなかった。
私にも、その責任がある。
一人だけで背負い切れるようなものなんかじゃないんだ。
(目を伏せながら言う)
だから迅、お前一人のせいじゃない。
未来が視えているってのは強みかもしれない。
でも、それで押しつぶされるのは違う。
頼ったっていいんだ^^
ここに聴く相手がいる。
ボーダーの皆だって、聴かせるさ(微笑)
安心して任せていい。
きっと…
皆となら、どんな最悪な未来だって変えられるから^^」
一人じゃない
皆で一緒に、皆のために繋がる未来に…
最高の、幸せな未来にするって(微笑)
(2月21日PM2:39~PM6:32更新、1417~1428(12ページ))