第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
そう考えて、解ってから
ふと微笑む中、通行中の車に後ろから照らされながらも
菊地原、必死に叫び続けていた。
拳を握りしめながら、目に涙をにじませながら…
もどかしそうに、言う毎に歯を食いしばりながら……
菊地原「嬉しかったら、また笑ってもいいから…
楽しかったら、またバカみたいなことやってもいいから!!
そんなの昔っからじゃんか!!!
いつだって受け入れるから、何だってぶつけろよ!!!!」
そう涙をにじませながら必死に叫ぶ菊地原を見て
恵土は思わず微笑んでいた。
当たり散らすわけでもない。
その時に感じた感情を
押さえることなく、ぶつけていいんだってことを…
それによる心強さを感じながら……
菊地原「なんとか言えよ!!
聞こえてるでしょ!!??」
恵土「……聞こえてるよ。うるさいなあ(微笑」
その叫びに、恵土は嬉しそうに微笑んでいた。
恵土「…ありがとう、きくっちー」
そう言いながら笑って、頭を撫でる中
菊地原「…そう思うなら、感情見せて下さいよ(ふいっ」
菊地原は照れ臭そうに顔を逸らしながら
ふてぶてしく、いつものように言っていた。
変わらぬ光景に安心しながら
信号待ちの最中に、いきなり心で感じた声を叫び出した。
恵土「やっぱ腹立つ!
何あれ!!感じ悪い!!!・・」
拳を握りしめながら、感じた感情を暴露しだした。
人のために押さえていたはずだった。
その感じたことも…叫びも……
人に不快な思いをさせないために…
負の感情を伝播させないためにも……
でも、違った。
逆にそれが、相手を苦しませていたのだと解った。
それで苦しんでいる相手を見るのが
辛くてどうしようもなかったのと同じように…
行動せずにはいられなかったように……
それに何も出来ないのも、また同じで…
辛いことに繋がっているのだと、菊地原を見て解った。
辛そうな顔をして叫ぶ菊地原を見て、学んだ。
そして…
今度は、言われる相手のためだけじゃない。
自分だけじゃなく、相手と自分のために…
『大切にするよ』(1359ページ参照)
その言葉を、無意味にさせないために……
その誓いを、無駄にさせないために…
押さえ込まれ続けていた感情が
ついに走り出した!