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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇




脳裏によぎる、昔の光景

その中でも、恵土は歩いていた。


恵土「…

差し伸ばそうとした手も、下ろすばかりだった。

(左手を見つめながら、瞳が揺れていく)


だから…

おかしい呼ばわりされたり
拒絶されてばかりいた人の気持ちが解るんだ…


私も、昔のあっちの私のように
最初から受け入れてもらえないって決めつけて

距離を取るようになっていたのかもしれない。


そうされたからって…

否定して、拒絶するようになってたかもしれない。


そうされるくらいなら、こんな力いらないって思ってた。

護られなかったから、余計にいらないってさ…


目も、耳も…

何も感じなくなっていいって


でも…

そうされることによって
私は人に話しかけたり手を差し伸べたりすることに、恐怖に包まれる中

手を差し伸ばしたり、話しかけることができるようになったのは……


有吾や遊真のような血縁者がいてくれたからだけじゃない。

血の繋がっていない、他人だったはずの秀次の存在だった。


秀次がいつでも、どんな私でも受け入れてくれたから嬉しかった。


怖いんだ、人の怒りが…その波動が……


歪な感情が具体的に見えれば見えるほど、それそのものが怖くなるんだ…

人、そのものでさえも……


さっき見えた、歪なものも…


でも、色々あるんだよ。

気に食わないことがあったり
そうしないとやってけないようなのっぴきならない事情があったりとか…


被害者だか何だか考えてたら

無意識にでも、永遠にそうされたって意識ばかりが残っちまう。


加害者だって思ってたら、永遠に解り合えるわけない

許せないって思ってしまうようにさ…


だから…

どうしたって、そうされることが普通だって思っちまうんだ(苦笑)


さっきので嫌だって思ったのなら、それがきっと普通なんだろう。

私も、最初はそうだったから…(微笑)


だからさ、本当にありがとう^^」

自動車が走る中、その笑顔が照らし出される。


『…』

歩きながら聞く中、気付けば横断歩道まで来ていた。


そんな中、ある声が響いた。

未来の大きな分岐点に、大切なことに繋がる声が…

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