第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
そして、すれ違いざまに響いた声は
「近付いてくんじゃねーよ、ってか見てくんな」
「死ね、ブス」
などと、恵土を見て、二人して笑いながら去っていた。
「聞こえてないのかなー」
「さあ?聞こえるように言ったのにね」
『はっはっはっ』
去ってからも、そう笑い合いながら言い続ける人たちに
恵土は立ち止まって振り返りながらも、何も言わずにいた…
そう笑い合う二人に、秀次が何か言おうとする中
がしっ!
迅「ふるふる)…」
秀次「ぎり)…」
迅は肩を掴みながら抑え、何も出来ずに歯ぎしりしていた。
そこはかとなくイラついたのは、誰もが同じだったようで…
一瞬で、辺りの気配は険悪になっていた。
木虎「気にしないで下さい、恵土先輩。
私の学校にもよくいるようなゲスのタイプです。
見ず知らずの人に対して、平気で言うような人で
それを、何とも思ってない人なんですから」
眉間にしわを寄せながら
苛立ちを露わにしながら、腹立ちと共に言っていた。
恵土「…そうだな。
でも、それだけで決めつけられる部分は多くないよ(苦笑)
私だって、悪ふざけで言っていた部分だけを見たら
きっと、悪い人だって思われるかもしれない(微笑)
だからさ、そう決めつけるな^^
大丈夫だから(微笑)
今はもう…
一人で全部抱え込もうとしてた昔とは、違うんだ。
皆が、すぐ近くにいるから^^」
幸せそうに笑う中
その空気は、少しずつではあるが変わっていった。
恵土「生きるってことは、難しいね。
辛いことがいっぱいある。そして、とてつもなく多い。
そしてそれは…
些細なきっかけから呼び起こされることもある。
「もう来なくてもいいよ。来るなよ」
「そうだよ!
お前なんか来ない方がいい。近寄るなよ」
「そうだよ。
巻き込まれるなんて、こっちは御免なんだから…」
「お前なんか護る奴なんているわけないだろ、ブース!!」
そいつらの顔は、あまりよく見ていない。
いや、見れなかったんだ…
「いこうぜー」
「うん!」
(去っていく二人の中、恵土は一人でうつむいたままたたずんでいた)
黒いもやが凄く深くかかってて
それを見たくなくて
その相手の顔も見えなくて、うつむいて目を逸らすしかなかったから…(苦笑&俯」