第39章 終わらない悪夢、忍び寄る闇
星空の下で、心から願う『尊い想い』…
その願いが伝わっていたか…
それは……
そんな二人を見ながら、後ろで幸せそうに笑う迅を
振り向いて見た恵土に、伝わったようにも見えた。
恵土「迅…もしかして、狙ってやったんじゃないのかな。
忘れられない、掛け替えのない『一生の想い出』にするために…」
秀次「知るか」
そうこう言う中、笑いかける迅に振り返りながら…
呟く中、早々に返事は返ってきた。
恵土「そういう所、変わんないね^^」
秀次「当たり前だ。譲れるか//(ぷいっ」
そう恵土が左手を右手で握られて笑いながら話しかける中
横から話しかけようとしてくる迅に、嫌そうな顔をしながら右へ行こうとする。
それから、星空を眺めながら歩き出していた。
菊地原「うわっ。混んできた」嫌そうな顔
風間「そりゃ平日だからな。帰る人たちもいるだろう」
菊地原「うるさいから嫌なんだけどなあ、人混み(ぶつぶつ」
恵土「解る;すっごい解る!
だって、余計に見えないものや聞こえないはずのものが
聴こえたり見えたり感じやすくなるもんだから;;(ぐすぐす」
人ごみの中を歩いていたのだが…
恵土も菊地原も人混みが超絶嫌いであった。
菊地原「僕は超絶ってほどじゃないけど嫌い」
風間「とりあえず早めに歩いて行こう。
ここから駐車場までは8分かかる。
このままでは間に合わない」
その直後
迅「やばいな(ぼそ」
眉間にしわを寄せながら呟いていた。
だが、その後で幸せそうに笑うのが視えたため
途中で、何とかしようとする動きを止めた。
深い苦しみがあってこそ
小さな小さな幸せが、光強く瞬くことを知ったように……
そして、恵土は思い出した。
闇にとらわれていた恐怖を…
あの昔の日々による、地獄に等しい悪夢を……
正面から歩いてくる人たちが
誰かの悪口を笑って言いながら近付いており
恵土「…」
秀次「気にするな」
それに邪気が見えたからか、嫌なものを感じたからか
嫌なものを見たかのように
思わず眉をひそめる中、秀次に肩を叩かれて先へ進む。
思わず歩みを止めた状態から
前に…
しかし、それによって得たものは
決して、いいものなどではなかった……