第38章 祝勝会(悪夢と現実)
だが、その直後
恵土「!(がばっ!!)
そうだ!鳩原が!!」
二宮「大声を出すな!(押さえつける)
また倒れるぞ?」
ぼーっとしてから思い出し、すぐ起き上がったが
二宮が椅子から立ち上がり
心配そうな顔をしながら、寝るよう布団の上から恵土を押さえつけていた。
恵土「でも…」眉間に皺寄せる
二宮「お前が心配しているのは解る。
だが、これは俺の不備だ。
お前がそんなに責任を感じる必要はない」
恵土「けれど!」
二宮「いいから寝ろ!
今のまま行った所で、どうにもならない。
それに、期待などしていない。
おそらく、あいつは帰ってこないだろう。
手引きした奴がいる。
そうでなければ、あぁなってはいなかったはずだ。
それに気付けなかった、俺の失態なんだ。
…だから恵土、お前が気に病むな。
それで無理をして倒れられる方が困るし嫌だと解ってくれ」
恵土「……二宮」
二宮「?どうした」
恵土「…私に、できることってなかったのか?(涙目」
そう、絞り出すかのように言いながら
目に涙を浮かべながら、椅子に座った二宮の左袖の裾を右手で掴んだ。
二宮「…余計なおせっかいだ。
だが、その想いだけは有難く受け取る。
ありがとう(微笑&なでなで」
その手を右手で掴みながら、左手で頭を撫でていた。
二宮「だから、今は休め。
しっかり休んで、それから行動しろ。
そうでなければ、また倒れるぞ?」
その顔は、心配そうに見えた。
恵土「うん…ありがとう…
でも、二宮…
一人だけが悪いなんてこと、ないよ。
そんなの、ないよ…
やだ…よ…(うとうと)
だから…
お願い、だから…
一人で、背負わない…で……(すー」
そう言いながら、撫でられる感触と温もりに安心したのか
途中からウトウトしだし、瞼を閉じて眠りについた。
二宮「…」
それを黙ったまま見つめていた。
その言葉に救われたかどうかは、闇の中…
それから後、間もなくして
A級だった二宮隊は、B級に落ちることとなった。
それに恵土は異議を唱えたが、どうにもならず…
だが、その気持ちが嬉しかったのか
二宮は、「ありがとう」と礼を言っていた。
嬉しそうに、微笑みながら…
(2月17日AM2:25~AM5:55更新、1375~1384(10ページ))