第38章 祝勝会(悪夢と現実)
秀次の言葉に驚く中
「ほお。ナイフが怖くないってか?ん?」
ナイフの斬れない部分を頬へペシペシつけながら言う中
秀次「怖くない」
「?」
秀次「恵土がいるから(微笑」
恵土「!」
秀次「父さんと母さんと兄さんが死んで…
姉さんしかいないはずだった。
親戚が何とか言っていたけれど
それでも、二人で生きていこうって…
けれど、沈んだ空気ばかりだった。
とても重くて、暗い感じばっかりで…
それで、僕は家の外に行っていた。
そしたら、同じで家族がいない恵土がいた。
姉ちゃんに出会って、一緒に過ごす内に
本当に、楽しくてどうしようもなかったんだ(涙」
言いながら、涙が零れ落ちていく
その時の哀しみから、喜びに消化していく感覚が蘇って…
秀次「とっても嬉しかった。
だから…恵土が呪いを持ってようが関係ないんだ。
それごと、それ以上に幸せを運んできてくれたから。
僕にとって、恵土はとても温かくて優しい天使みたいな存在なんだ。
一緒にいて楽しくて、明るくて…
バカげたことも一緒にやって、いっつもいっつも……
心に残る、大切なことを一杯くれたよ?
だから恵土…
僕は、呪いなんかこわくないよ?
これが呪いだったとしても、僕は…
ずっと、一緒に居たいよ。
恵土が、大好きだから^^」
そう言いながら満面の笑みを浮かべながら振り返る秀次に
恵土もまた、涙が止まらなかった
本当に、欲しかった言葉だったから…
秀次「だから恵土!大丈夫!!
僕が一生、護るから。
呪いがあるって言うなら
そんな呪い、僕が消し飛ばす!!
消し飛ばせなくても、絶対に生きるから!
恵土を泣かせたりなんかしないから!!
絶対…
それごと愛してるし、これからも愛し続けるから!!!(きっ!!」
目に涙を浮かべながら、強盗を睨み据える
「へっ。
悪いが、俺はこいつと逃げないとだから」
その間に、もう一人の男を抱き起こしながら逃げようとするも
秀次「わあああああ!!!!!」
どごぉん!!!
絶叫しながら男の足に体当たりする中
「くっ。この!」
それによろけながらも
足にそのまましがみ付く秀次を摘み上げ、蹴飛ばそうとしたが
恵土「でやああ!!」
ばきぃ!!
その直後、その男性の顎を蹴飛ばして気を失わせた。