第37章 祝勝会(変わらぬ過去、変わらぬ想い)
本当に…会えてよかった。
居るわけなんかないって思っていたのが、変わったから。
菊地原「僕だって、同じだってのに(ぼそ」←本気でそう思っていたから
迅を見ながら呟いていた。
サイドエフェクト故に気味悪がられて距離を取られ、やさぐれていた方だったから…
それでも、それを正してくれたのは…
ありのままでいられるようにしてくれたのは、恵土だった。
そして…
恵土が入院している時に、抱き締めながら感謝していた。
部屋についているトイレから出た所を入りながら引っ張り込んで
二人きりの状態になりながら…
ただ、感謝を伝えたくて…
聞こえたくない。それでも聞こえてくる。
それで聞こえたことを言ったら、嘘つき呼ばわりされた。
好き勝手に言うかと思ったらハブられたり、いじめられたりもした。
味方なんて一人もいなかった。
理解しようとしてくれる人もいない。
「ずっと聞き耳立ててるんじゃない?」
「気味悪い」
「あいつがいると落ち着かないよな」
「解るー!」
そうされて、当たり前だった。
気に食わないと思われて、当たり前だった…
それならいっそ…
そう思ってたら…気付くと、こうなってた。
でも…
恵土「菊地原はおかしくないよ」
菊地原「は?気味悪くないんですか?」
恵土「全然」
菊地原「え;」
何言ってんだ、こいつ…
それは、出会って間もない頃。
菊地原(っていうか隊員でもないのに出入りしてるし…)
風間隊にいつものように入り浸っていたから、なおさらで…
恵土「誰でも聞こえることはある。
それで苦しむことはあるし、哀しい思いをさせられることもある。
知らなければよかったって思うこともな…(遠い目)
でも、おかげで人の闇だか何だかまで解るようになった。
もともと視えていたんだが、それがより確信に繋がるようになった。
辛くて苦しみ続けてきたはずなのに、多少はそういうものだって割り切れるようになった。
歳をとっていく度、そうしないと死んでしまう感じでな(苦笑)
そういうのを被害側と加害側とか…
そう考えていたら、永遠にとらわれてしまいそうで……
でも、結局は悪夢に出たらぶり返すんだがな^^;」
菊地原「なんだ。元の木阿弥じゃん(溜息」
恵土「その通りだな;(苦笑」