第37章 祝勝会(変わらぬ過去、変わらぬ想い)
恵土「でもさ…
本当によかったって思うんだ。
寄り添ってくれる人がいれば
理解してほしい人に理解してもらえていれば、それだけで幸せだから^^」
ソファーに座ったままそう言い続ける恵土を見て
若干、僕は腹を立てていたのを覚えている。
それが、恵土に対してなのか
それとも、拒絶してきた人に対してなのか解らないまま…
菊地原「随分顕著ですね(溜息)
別にいいですけど
僕には到底真似できませんよ、それ」
恵土「ああ…
本当にその通りだな^^」
菊地原(いや…否定しろよ、そこは)
恵土「昔までの私だったら
きっと、想像さえもできてなかっただろうし^^;
……
きくっちー。楽しいか?(微笑」
菊地原「?何をいきなり」
恵土「今を楽しめているか?^^」
菊地原「………
まあ、恵土先輩で遊ぶのは面白いですよ(溜息」
恵土「はい!?;あれ遊んでたのか!!??;」
菊地原「頷)気付いてなかったんですか?
からかったり、寝てる所をほっぺ引っ張ったり
冷たいのをいきなり乗せたり、結構やりましたけど」
恵土「あれ全部お前の仕業か!!;
びっくりしたぞ、マジで!!」
菊地原「溜息)ふー。
嫌だったら出てけば?
(所詮、その程度なんだから」
恵土「?何で出ていかないといけないんだ?」
菊地原「は?;」本日二度目
恵土「私はそれごとひっくるめていいと思うぞ?
そういう所も、何やかんや言って優しい所もさ^^
毛布かけてくれただろ?」
菊地原「む…そんな程度のことで何で勝手に図って」
恵土「それにさ…
お前のこと、嫌いになれない」
菊地原「僕は嫌いですよ、バカ」
恵土「それでもいい^^
お前が楽しいんなら、幸せでいられるなら
いくらでも付き合いたい。私がそう思うんだ^^」
菊地原「………
変な奴(ぼそ」
恵土「あー。
それ、よく言われる(微笑」
僕の耳にでもギリギリ聞こえるような小さい声でも
恵土の耳には届いていたのを見て、同じことで苦しんできたんだと解った。
それと同時に、それでもそんな人格者みたいな精神を
今まで、ずっと貫いてきたことと
それがどれだけ凄いことなのかを
それがどれだけ険しいことなのかを
同じ経験がある者として、否が応でも理解せざるを得なかった。