第37章 祝勝会(変わらぬ過去、変わらぬ想い)
だから恵土…
俺は、あの時に手を離すようなことをしたってことを…
今も後悔しているんだ。
また失うかもとも思って、本当に怖かったんだ…
それでも、その先に掛け替えのない笑い合う未来が視えたから。
だから俺は…
結果的に、命が危なくなる未来を選んでしまった。
風間さんに、あぁ言われてもおかしくない未来を…
(1168ページ参照)
あれから、俺は夢を見た。
恵土「迅!^^」
迅「!恵土(微笑」
あの土手で、俺はくさっぱらにいた。
そして恵土は、その土手の上にある道に立っていた。
恵土「…帰ろう^^(左手を差し伸ばす」
迅「ぱあ)うん!^^(頷きながら右手を差し伸ばす」
そして、すぐに上にあがって
その手を取ろうとした瞬間に、恵土が血となって消えた。
それに飛び起きる中、目に見えたのは…
ガラス越しに見えた、集中治療室で眠る恵土の姿だった。
気管を切開し、経鼻栄養を取っていた姿で…
それに俺は、右手で頭を抱えながら
左手でサングラスを握り締めて、震えながら泣いていた。
といっても、涙が頬を伝っていたと気付いたのは
風間「…」
黙ったまま、風間さんが缶コーヒーを差し出した時だった。
迅「!風間さん…」
風間「頭でも冷やせ」
迅「…すみません。
あんなになるまで思い悩むなんて、俺は…」
あのこと(1217~1224ページ参照)を風間さんから聴いて
なおさらに、後悔が強まっていた。
そのまま死なせたくないって気持ちも、本当によく解ったから。
風間「いや、俺も言い過ぎた。
もっと不幸かつ損失が大きい、最悪の未来…
それが恵土を失う方だと、決めつけてしまっていた(ずず」
ベンチの傍で俺に背を向けたまま、缶コーヒーを右手で持って飲む中
迅「…いや、確かにその通りなんですよ。
実際、誰よりも最悪の未来に近いのは恵土先輩で…
それに転がるきっかけというか
繋がってくるのが、うちのメガネくんの死だってだけで。
だから…
そんなに深く考えず、意図せずに言ってしまっていた。
何回止めようと言っても、恵土先輩が行くのは視えていた。
一人では未来は変えられない。そう教わってたはずなのに…
何とか変えようとs
風間「一人で背負うな」
それに伝えようとした時、声が響いた。