第37章 祝勝会(変わらぬ過去、変わらぬ想い)
城戸さんの奥さんは
結婚自体を、高校の時から心に決めていた人だった。
だからきっと…
信じられなくて、判断が遅れたんだと思う。
18歳に結婚して、同時期に生まれた娘さんで
私と同じ12歳で、妻も同じ30歳だったらしい。
城戸「俺にも、同じ年の子供がいる。
娘なんだが、色々と手がかかってな^^;」
そう言いながら、私の頭を愛おし気に撫でてくれた。
紅蓮は…
私の父上は、私と母上の幸せを何よりも望んでいると言いながら。
そんな昔の出来事が、なぜか脳裏に浮かんだ。
見ず知らずではあった。
だけど、話によく聞いていた人たちの死骸が目の前にあった…
その人たちのトリオン=キューブを見せつけられながら……
恵土「っ…」
最上「大丈夫か!?」
恵土「だい、じょうぶ。
ギリギリ急所は避けたよ」
本当は…結構辛かった。
でも、今はそんなことも言ってられないからそう言った。
「ついでだ。お前たちのトリオンもいただく!」
忍田「なるほど。最初からその算段だったということか!」
最上「戦うぞ!」
恵土「了解!トリガーオン!」
その言葉に襲い掛かってくる人型近界民に対し、トリオン体に換装した。
だが
城戸「やめろ!
これ以上ことを荒立てれば、さらに侵攻が活発に!」
「もともと活発さ!(にや)
俺たちは乱星国家、パンデモニウム!
トリオンを奪うためなら何でもする!!
12年周期だから遠慮はいらない!奪い尽くせ!!」
恵土「城戸さん!トリガーを起動させて!!
これ以上は庇い切れない!!」
ガガガガガガガガ
襲い掛かる人たち相手に、多人数を相手取っていた。
アタッカーが2人ずつと戦いやすくなるように、8人ほど。
一気に4人倒す中
林藤『恵土!後ろ、トリオン反応だ!!』
恵土「!」
がっ!!
咄嗟に後ろに刃を伸ばした直後、何とか倒した。
だが…
恵土「っ…」
体勢を崩し、そこを2人に挟まれて刺された。
恵土「!城戸!!!!」
その中、気付いた
妻と娘に見入りながら、涙と共に抱き締めていた城戸さんへ
走り寄っていた人型近界民に…
恵土「くっ」
『トリオン供給器官破損。戦闘体活動限界』
ぼぉん!!
トリオン体が解けた直後、走り出した。
城戸さんの前へ、助け出すために…