第36章 隣には…
闇「!!」
そんな中、目が見ひらかれていた。
母親が自分を抱き締めて庇い、父親に殴られ続けていた。
「私が護るからね^^」と笑う母親の中
なおさらに気に食わないという思いから、父親の暴力が激しくなっていった。
そんな子供の頃、母親が父親の暴力によって殺され
酔いつぶれた父親を、怒りと共に殺した時の思い出がよぎる。
恵土「闇の…過去か)
悪い人なんて、いないんだ…
その過去が、いつまでもよぎって来るから……
終わったことなのにって言われたり
他人事のように言われるばっかだった…
そんでも、いつだってよぎってくるんだよ。
心の傷ってのは、簡単に消えはしない…
毎日、何度も味合わされ続けてきたもんは特に……
だから…なんだよ。
他人の過去に首突っ込むなだか、色々言われてきた。
そんでも…ほおっておけないんだよ。
その苦しみは、痛いほど知ってるもんだ。
殺されかけて、傷付け続けられて…
もう、何が何だかわからなくなるぐらい。
そんでも、必死だった…
私が、望んだのは…
闇にとらわれたお前が、光(想い)を感じて
幸せを感じて、笑っていられる未来だから^^」
闇「!!」
その言葉に、過去の想い出が蘇ってくる。
母親「お前がこうして笑って
元気に生きてくれているだけで、お母さんは嬉しいよ^^」
その言葉と共に、微笑みかけながら優しく撫でる母親の姿が脳裏によぎっていった。
想い出が、ないわけではなかった…
それよりも遥かに、父親という暴虐者の存在が大きかっただけで……
弱肉強食という現れとなっていた環境から
そう思わざるを得なくなっていって…
闇「っ…」
恵土「お前に隣に在るのは、辛い想い出だけか?」
そう抱き締めながら、背を優しく撫でる。
その身から出される、温かな光と共に……
闇「…かあ…さんっ;(ぽろっ」
その光から、闇と化したものの母親が浮かび…
闇を優しく抱き締めて撫で続ける姿が、目の前に広がった。
母親の魂が心配して、すぐ近くに居続けてくれた。
その存在を、感じていられるようにするためだった…
抱き締め、感覚共有を使うことで……