第36章 隣には…
真剣な眼差しで見つめる先は、一筋の闇…
闇「どう…やって?
戯言を垂れるのもいい加減にしろよ!!」
闇のエネルギーを一点に集約させ、球状にして解き放つ。
どごぉおおおおおおお
凄まじい爆風と共に食らう中…
恵土「…」
構えもせず、立ち上がったまま真っ直ぐ見つめていた。
闇「!!」
恵土「私も、同じような目に遭ってきた。
意見をねじ伏せられ、与えられるのは光もなく
言葉という名の暴力、暴力という名の暴虐…
何も、光なんてなかった。
でも、どこから降って来るかって?(微笑)
そりゃあ…
今までの想いの中だよ!
生かし続けてくれてるのも、神の愛の証。
殺そうと思えば、いつだって殺せる。
なのに…何で……
人の中では、闇の方が遥かに大きいのに…
生かそうとするのか、考えたことあるか?
私は…
そんな中にも、光を抱ける人を待ってるんだと思ってる。
闇を食らってばっかで」
ざっ
言いながら、一歩一歩足を踏みしめながら闇へ向けて進んでいく。
闇「よせ…来るな!;」
それに対し、後ずさりながら震えだす。
恵土「殴られては蹴られて、暴言はかれて…」
闇「光の化け物め!;」
恵土「ホント…なんでなんだろうな……
人間なんて、闇ばっかなのによ…
辛いことの方が、山ほど一杯あったもんなあ;(涙」
闇「!!」
恵土「でも…なんてことはないんだ…
皆、誰もがそんな想い抱きながら歩いてんだ。
ずっと、ずっと…
それでも前向いて歩いて、必死に生きてきている……
いつだって…
父上も母上も、祖先になる皆が生きてきた……
そんな中でも、笑って幸せを願って生きてきた(涙」
涙を流しながら、死んでいった父上と母上
強大な力を宿して生まれたが故に、迫害され続け
辛い思いをさせられながらも、真っ直ぐに正しくあろうと生き抜いてきた。
その祖先たちの想いを
本当の化け物になるまいとあらがい続けてきた想いを、すぐ傍に感じて…
闇「来るな…;(がくがく」
そんな中、膝も震わせながら後ろへ下がっていき
どさっ
尻餅をついた。
あまりの圧倒的な存在を示す、光に恐怖を抱いて…
(光と共に恵土に見下ろされる、闇という名の大男)