第36章 隣には…
トリガー臨時接続
緑川「よし!」
木虎「送れる!!」
恵土が張ったバリアーに触れた直後、響く音声に微笑む中
恵土「こんちくしょお…;
持ってる力、全部ぶち込んだってのに;」
崖にめり込んだ状態から、力なく地面へ倒れながら
斬りかかろうとする闇へ向けて呟いていた。
闇「終わりだぁ!!」
その直後、人の姿に戻った闇が
闇の力をさらに凝集させて、刃ごと振り下ろそうとした時…
ぱああああっ!!!!!
凄まじい光が、恵土の周囲に集まってきた。
恵土「!なんだ、これ」
その光に闇が押され、動けなくなっていた。
と同時に、触れて誰のものかが伝わってきた。
恵土「!」
小南『ぱっぱと帰るんでしょ!?しっかりしなさい!!』
レイジ『帰って来い!!』
『帰るぞ!!!!』
その光に包まれる中
たくさんの人たちの願いと想いが伝わってきた…
オペレーターたちも、両手を組み合わせながら祈る姿が見える
城戸さんたちもまた、帰りを待ち望む思いが伝わってくる
その直後…
意識が、世界そのものに視点が移り変わった。
世界に存在する闇と光
(ちっぽけな地球が見える)
闇の方が、凄まじく大きい。
欲は際限なく、人の中に山ほどある。
(そんな地球の背後には闇が広がり
人たちの中にも怒りやら負の感情が山ほどある)
ただ思いのままに行動すれば、失うものもある。
(見て見ぬ振りをし、保身をはかる人たち。
護ろうとして死んでいく人たち)
しかし、人のことを想ってのことならば別。
(護って死んだ人は天国へ。
想おうともせずに、感情のままに殺し続ければ地獄へ)
だが、度を過ぎれば身を亡ぼすことになる。
(逆に度を過ぎて、不快な思いや迷惑をかける場面が次々に浮かぶ)
思いが強い方が単純に勝つんじゃない。
それは既に分かり切ってる。
(圧倒的強者にねじ伏せられる場面が、闇を通じて思い浮かぶ)
恵土「そうか…
お前は、護られたことが無かったから…」
闇の方が、光よりも遥かにデカい。
それも解ってる。
(闇の方が、遥かにこの世よりも多い。
抱く感情も闇の方が種類も多ければ質も高い)
恵土「なら…
私が護り抜く…
今まで、そうしてきたように!」
闇を通じて解る思い(闇)、示す意思(光)