第36章 隣には…
闇「それがどうした?
憎しみのままに動けば、世界も何もかもが手に入る要素を持っているだろうが!
それだけの力がある!!
それだけの強さも秘めている!!
それなのになぜ力のままに暴れようとしない!!??
お前とわしが手を組めば、最強無敵だろうが!!」
そう叫ばれる中…
その決意を示すかのように、空気が揺れ出した…
恵土「共に生きるものとして、出来ることは…
死んだものが存在した証を消させないことぐらいだ。
そして…(ゴゴゴゴゴ)
あいつらの望みは、殺すことなんかじゃない。
傷付けることでもない。そんな奴等じゃないって知ってるから!
そんなことを望む皆じゃないって、身をもってわかっているから!!
だから私は…
是が非でも護り抜く!!!」
闇「はっ。そんなことできるものか!!」
そう叫ぶ中、左腕が急激に治っていく…
恵土「虚言、妄言、勝手に言えよ。
お前らがなんて言おうが、この想いは変わらねえよ…
お前らも、護り抜きたい!!!!」
ヘブン(昔から変わらないなあ、やっぱり(にや))
その真剣な眼差しは、幼き頃より変わってはいなかった…
8歳に全てを失って奪われてからも…
貫き続けてきた生き様、それは…
昔から脈々と、今にわたって続いていたものだった。
恵土「どれほど憎くとも、殺したくとも…
それごと護り抜かなければいけないもの……
それが、『命』だと知っているから…
父上と母上たちから、そう教わったから。
だから私は、その幸せを願う。
その私を誇りに思って!
今も天から見守り続けてくれている父上と母上と皆のために!!
そして…
今すぐ隣に居る、皆のために!!
こんな私に、想いを馳せてくれた人たちのためにも!!!
これから先、幸せを感じて笑っていられるであろうお前たちのためにも!!!!
私は今…
ここで退くわけにはいかないんだあああ!!!!!(かっ!!!」
その言葉と共に
纏っていた『光』は、周囲が味方するかのように
闇をも引き寄せて浄化すると共に吸収し、呼応するかのように光を増し続ける。
闇「おかしな奴だ」
恵土「おかしいのは百も承知だ!!
そして…それが、私だ!!!
それが…」
『私僕俺たちの望んだ恵土だ!!!!!』
重なる言葉、想い…
それは共に