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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第36章 隣には…




「人間なんか嫌いだ!!

手段なんか選ばないくせに!
俺なんて、手ごま程度にしか思ってないくせに!!」

そう涙ながらに叫んでいた。


パンデモニウム時代…

それは、同じ国家内でも殺りくは続いていた…


星中で、一番勢力の強いパンデモニウムが指揮に立っていた。

星の総意という、暴力で奪ったそれを我が物顔に…


トリオンを取ろうとしたトリオン兵に襲われていた時、

助け出してくれた恵土に向けて、その言葉を叫んでいた。


恵土「…そうか。相当辛い目に遭ってきたんだな」

そう撫でる恵土に、手を払って顔をあげた…


その時に見えた表情は、とても痛々しく辛そうなものだった…


そして、同じ目に遭ってきたのだと知った。


それから後、俺たちは和解し合っていた。

同じ境遇だった。
だからこそ、そんな同志が居て幸せだったんだ…


それでも、これから先生き抜いていけるだけの集団を作った…


護り合い、寄り添い合えるだけの組織を…


その時、恵土の誠実であろうとする生き様から…

イリクリニス(誠実)と、国家の名前を付けた。


誠実であれ。

それは、恵土の生き様から学んだことだった。


人を失ったからこそ、それを護り抜く大切さを知れ。

その道を貫くことは難しくとも、貫き続けろ。


その生きた道を、無駄にさせぬために…

その足跡を消させず、無駄足にもさせないために……


そうして…

イリクリニスは恵土が立ち去ってから後も、強大になり続けていった。


逆にパンデモニウムは、さらに躍起になり続けていた。

使えなければすぐにトリオンを吸い取り殺害。

忙殺され続けるばかりの日常だった。


今から12年前、玄界に侵攻する話は聞いていた。

だが俺は当時、イリクリニスの中でも下っ端で助けに行くことを了承されず
逆に縛り付けられた。俺を護るためだと言って…


そして、強くなるために修行を続けていた。

恵土からもらった、銀でできた日本刀のトリガーで…


そんな中、イリクリニスの侵攻は気付かれぬように続き

1年前、奮起した星中の人たちで奪い返した。


しかし、そのパンデモニウムのボスは

自ら闇の化身となって、存在そのものを認めず壊そうとしていた。

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