第36章 隣には…
恵土「!お前は…」
闇「…」
闇の塊を受け止めていたものの、見た瞬間思い出された…
恵土「おいおい;
どんなサプライズプレゼントだ?;(苦笑)
12年前、殺そうとしてきた奴を送るなんざ」
敵2「逃げろ!」
恵土&敵1『お前が逃げろ!!』
そう言いながら遠征艇に押し込み、空間ごと移動させた。
元パンデモニウム、今やイリクリニスの神となる生贄がいなくとも
永遠に星が存在し続けていられるような、ゼノたちに渡したのと同じような
『トリオンを自動回復し続ける球』を生成して渡して…
恵土「それさえセットすれば、星は存在し続けていられる!
こいつの処理は私たちに任せろ!
必ず元の人に戻して、お前たちの所へ送り込む!!」
敵2「だが!俺はお前を助けることが!」
恵土「できてるよ」
敵2「?」
恵土「とっくの昔に、お前たちがそうしてくれたおかげで
今が、今でいられた。
エンジニアやってた。
人に失望した。希望も、夢も、全てを奪われた状態で
やっと、今でいられた。
秀次に会えた。東に会えた。
隊を組んで、色んな人たちと出会えた。
だからさ…
十分すぎるぐらい、助けられたよ。
今の幸せがあるのは、それまでの苦労やら何やらのおかげだ^^
だから私は…
本当に、『今』って「幸せ」を噛み締めることができる(微笑)
生きろ、その分まで。
苦しみ抜いてきた分も、哀しんできた分も
今を幸せにして、お前たちの子孫まで負が継がれることのないようにしろ。
私を奪おうとしたのは
今も、ボーダーに殺されかけ続けているって思ったからなんだろ?
でも、今は違うんだ。
だから…大丈夫(微笑」
そう微笑みながら、闇を受け止めたまま振り返って言った。
その時の表情は、木虎を助けた時に見せた笑みと同じで…
とても穏やかで、安心して欲しいという願いを込めた微笑だった…
敵2「涙目)っ…;
ありがとう;(ぽろっ)
何度も、何度も…済まなかった;(涙&お辞儀」
その脳裏には、出会った時に人が信頼できず
否定し続けてきた日々があった。
それでも、変わらず受け入れ続けてくれた。
微笑みかけ、手を差し伸ばし…
その境遇から助け出し、同志を集って新たな国家…
イリクリニスを作り出してくれた。
『誠実であれ』…
その心を込めて……