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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第36章 隣には…




「お前だって…
お前だって、何度も殺されかけ続けてきただろうが!!

それなのに、何で好きだなんて言える!?
愛することができる!!??

そんなこと自体、不可思議でしかないんだよ!!!」

そう拳を握り締めながら叫ばれる中…


恵土「そりゃあ…
お前のことは、全部が全部は解らない。

どれだけ辛い思いをしてきたのかも
どれだけ苦しんできたのかも、話されないと解らない。


さっき話されて、お前もお前で苦しんでたんだって解った。

お前も、私をとらえていた時に記憶を読み取ったから解るだろ?


今まで辛い思いをしてきたのも確かだし、それは決して変わらない。

変わることはないんだ。

これから先何をしようと
どれだけ暴れようと、何かを殺そうと…


辛い思いをしてきたのは事実だ。

傷付けられ続けて、殺されかけ続けてきたのも事実だ……(遠い目」

そう言いながら、その拳に手を重ねた。


「!」

それに目を見開く中、恵土は続けた…


恵土「でもさ…


それでも、私はこの世界が好きだ。

何度も死にかけた。殺されかけた。
それでも、私はまたここでこうして生きていられるようになった。


村も、故郷も…
知っている世界全てを失って、奪われて…

近界でも殺されかけ続けて、心ってもんが壊れちまった。


自分自身にひどいことされてるのに、何も感じなくなっちまった。

逆に、ひどい思いをさせてるんだからもっと頑張らなきゃって…


そればっかりだったんだ……」

そう、うつむきながら目を瞑って微笑んでいた。

相手の拳を、そっと優しく握りながら…


恵土「それでもさ…

秀次と出会って、笑えるようになった。


居場所ができて、笑い合って

ここに居ていいんだって解った。


姉さんが居て、秀次が居て…

家族じゃないのに、血は繋がってないのにって思うことだってあった…


でもさ…

いつだって、家族のように接してくれた。


本当は、欲しかったんだ…

そういう風にしてくれる人が……


それよりも前、8歳に失ってから
11歳4か月になった頃、有吾と再会して遊真と会ってた。

でも、それとは少し違った感じだったんだ。

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