第35章 護るべきもの
それでも、入院するまで自分を責め続けることもあって
それを話さなかったりなんてこともあったけれど
その後でも、そんな過去や苦しみごと幸せを感じて
笑うことができるようになった恵土を、もっと見ていたかった…
約束を守るのを見届けたかったから…
ただ、生きて傍に居て欲しいと願っていたから……
待ち望んでたんだ、目を覚ますのを。
城戸さんも忍田さんも林藤さんも
容体が、安定するまでずっと心配そうにしていた…
容体が安定してからも、ずっと……
関わりのある奴等は皆、心配していた…
終いにはガラスに泣きつく奴まで出るありさまで。
集中治療室の時は、その前のベンチで寝たり食ったりしてた。
秀次に至っては張り詰めた顔で、ずっとはってた。
隣に座ったり話しかけたりしたけど無視されて
太刀川「にゃろぉ(イラッ」
風間「落ち着け(ガシッ」
イラッと来て拳を握ったけれど、肩を掴まれて不発に終わった。
きっと秀次も心配で頭がいっぱいなんだろうと諭されて…
そんで入院中に部屋についてあるソファーで寝ている中
風間さんに起こされて、恵土の居るベッドを見ると
ずっと寝たきりでピクリとも動かなかった恵土が起きていたのが見えた。
心配していたのか泣きじゃくり続けている木虎を慰めている所が…
驚きながらもすっげー嬉しくって、飛びつきながら抱き着いた。
その直後、恵土に悲鳴というか断末魔をあげられて
それを見た風間さんが怒声をあげながら俺を殴り、気絶させられた。
でも…
あの時、本当に嬉しかったんだ……
やっと、帰ってきてくれたように感じたから…
(そして時は戻る)
今、恵土は死んでいるかもしれない。
それでも、約束したんだ。
是が非でも生き返るって…
だから、死ぬわけにはいかねえ。
先に約束破られたからって、破るわけにもいかねえ。
絶対に、生きて帰る。
「くらえ!!」
(白い光に包まれ、光と化した一撃が繰り出される)
太刀川「くっ!!」
がきぃん!!!!
光と化して突っ込んでくる近界民に
両手にもった刃で、押し込まれながらも押し返し続けていた。
それに、鋼がシールドモードで左隣から支えてくれて
同様に、出水と唯我がすぐ後ろからフルガードで支え出した。