第35章 護るべきもの
学校でも、近界でも同じような目に遭っていた…
小4、小6、中1
9~11歳に亘って、毎日…
『無視されたってよ』
待って。集中してる時に言われて
『~ちゃんに渡してって言ったのに書かれて返された』
勘違いしたんだって
『ちゃんと言えてなかったよね?』(詩の暗記のテスト)
ちゃんと言ってたよ。先生だって聞いて、言ってくれてたじゃんか…
『一人でなに笑ってんだよ、気色わりぃ』
それは本を読んでて
何で、全員…
聞く前にどこか行くの?
『ちくったんだろ?』
聞いてくれないじゃんか。他の誰にも相談も出来ない状態で
『やっぱり最悪だな』
どうすればよかったんだよ!
『いこいこ~』
待ってって
何で…
どうして…
誰にも、何も言っちゃいけないの?
話すこと自体が、悪なの?
気付けば、話すことができなくなっていた。
話し方も忘れ、話しかけられた時にしか返せなくなっていた。
話しかけることでさえ、出来なくなっていった…
こんな過去も、重荷も誰にも背負わせたくなかった…
全部が全部わかって欲しいなんて
とても言えないし、思えなくなった…
(学校の背景や、近界での背景の中
一人でたたずみ続けている姿が、脳裏に浮かぶ)
誰にも、相談なんて出来るわけもなかった……
(一人で、眠る際に涙も哀しみも苦しみも痛みも噛み締め
最終的に殺すことに成功した姿が、脳裏に浮かんだ)
その直後、頭によぎったのは…
言われ続けてきた、罵詈雑言の言葉…
『変な走り方』
『嫌な奴』
『何様のつもりだよ』
『えらそぶってんじゃない?』
『そんなんだから友達できないんじゃないの?』
『利用されてるとも知らずに』
『自分の行動見つめ直したことないんじゃない?』
『どうせわかりゃしないだろうけど』
『言えてる』
『存在しちゃいけないのに生まれてきたんじゃ?』
『死ねばいいのにね』
『殺人犯よりも死刑を執行しようよ』
『あ、上着にふけがついてる』
『せんせーい、ふけがついてるのを食べても死にませんか?』
『おい、泣いてるぞ』
『気持ちわりぃ』
そして、一人でい続けるようにされていた。
人との関わり方が解らなくなった。
話しかけられると、目を向けられると脳裏にいつでも浮かぶ。
そして終いには…
人と接すること自体ができなくなった。