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鬼神乱舞 【ワールドトリガー】

第35章 護るべきもの




蘇りし鼓動、向かう先は…

(恵土が歩き出す中、一人の近界民が動き出した)


『一つだけ伝えておく』

恵土「なんだ?」


『…お前が、こちらに来れた理由を知っているか?』

恵土「?」

その言葉に、ふと足を止める。


『こちらの世界が漫画になっている世界で

何故、こちらの世界で意識が共有できるか考えたことがあるか?』

恵土「テレパシーだろ?
生まれた時から霊感があるもの同士で、魂まで同じなんだ。
共鳴し合って、意識が共有することになってもおかしくはない。

といっても、その漫画になってる世界では
ただの妄想呼ばわりされて同じだがな…

だったら、今感じているこの感情は何だっていうんだ?

妄想なんてものじゃない。
実感しかない。

それは、妄想なんて言葉なんかで片付けられるものじゃない。


…こちらが見ているもの、感じているもの

そして、あちらで見ているもの、感じているもの…


それらが共有し合い、意識も共に共鳴し合っている…


案外、味わってきたことは同じなんだよ…両方共にな」


『ああ、そうでなければこちらにはこれなかった。

他にも、様々な世界に行けていただろう?


それは…五感が研ぎ澄まされ過ぎた結果ではなく
お前が理不尽な目に遭い続けてきた結果だ』

恵土「どういう意味だ?」

その言葉にいぶかしげな顔をする中


どごぉん!!

一つの爆発音が響いた。


『あちらの世界での悲劇は、まだ終わっていない。
といっても、悲劇などという言葉で語れるようなものではないがな…

こちらではまだマシな方らしいが
やはり、語り辛いか?精神が完膚なきまでに壊れたことも』

恵土「…今とは関係ないだろ。

それに…
一度、風間にそれは見られた。

これからあっちの私が書くつもりらしいから黙れ。
それよりも、状況はあっちの方が緊迫している」

そう言いながら、爆発した方向
中心から見て、北の方へと視線を向ける。


『経験したことをもとに書いているのは解っている。

…整理するにはいいかもしれんが、再び取りつかれるなよ?
己の中に眠る、狂気と』

恵土「解ってる」


終始真顔のままで、北へ向けて走り出した。

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