第34章 未来の分岐点
『礼を言うのは、私の方だ』
恵土「?え?」
突如、光になりながら呟かれた言葉に呆気にとられ
真剣な表情から一転し、きょとんとした表情に変わった。
『お前が居てくれたから、私は生き返ることができた。
あの当時から再び生を得て、見守ることができる。
そして、人間という存在に失望したはずだった私が
今こうして希望を持てているのも、お前が叩き込んだ光ゆえだ』
(683~687ページ参照)
白い光が広がる中、呟かれていく。
『「私の魂が
主(ぬし)のような子供に癒着していようとは」と言った理由は
好ましくない状態で強く結びついていたからだ。
当時は「せめて、大人だったら」とも思ったが、今は違う。
私を復活させたのがお前で、本当によかった(微笑』
恵土「…私も
この世界を生み出してくれたのが始祖神で、本当によかった。
心から、そう思うよ(微笑」
『ふっ)そうか(微笑)
今回だけ、一体化する。
おそらく、このまま蘇ったとしても
本当に死んだ状態だったから、力を発揮でき図に殺されてつれていかれるのがオチだ。
私が一度一体化して
お前の体の状態異常をなくしながら、一気に回復させる。
その際に使って
体内に宿すようにさせた始祖神の力は、お前の好きに使え。
一日に一回程度は使えるようにはしておいてやる』
恵土「何か何まで、本当にありがとう^^」
『…もう、時間もそうない。さらばだ^^』
そう言いながら消える。
両者が共に、満面の笑みを向け合って…
復活の時へ向けて、白い光が満たされた。
以上が心の中での出来事で、外では…
軍事用テントの外で、未だに闘いを繰り広げていた。
その中、軍事用テントごと白い光に包まれ
白い光がそこにあり続ける中、凄まじい風が吹き荒れていった。
その場所が、恵土が寝かされていた場所だと気付いた直後
軍事用テントが、あまりもの凄まじい力に飛んでいった。
その軍事用テントがあった場所から
恵土を中心に半径5mへと、白い光の球が大きくなった。
それから後、それは人の形と一つとなり
太陽以上の凄まじい光は、恵土の周囲のみへ収まり
歩き出した。
帰りを待つ、大切な人たちの下へ…
(1月28日PM10:04~29日AM0:34更新、1204~1209(6ページ))