第34章 未来の分岐点
だが、その過去を振り返り
背負った上で、今が幸せだと感じて笑う事を覚えた。
どれだけ打ちのめされたとしても
それごと、相手が幸せなら幸せだと笑ってられる心も
その心自体は、自らの心を殺した結果だということも。
『自ら』に向けての心のみを傷付けられ、否定され続け
終いには麻痺し、何も感じなくなるほど殺され続けているということも。
自分さえいなければいい、その固定観念が
度重なる『自責』と、周囲からの度重なり続ける『否定』が
それらを形作り続ける結果となってしまった。
けど、今は違う。
殺してはいけない事を知った。
殺したら、悲しむ人がいるのだと解ったから。
そして、それが大事な人たちで
生きることを望む人たちで、すぐ近くにたくさんいるから。
その上で、前に進もうと思った。
生きたいと願った
もっと共に過ごしたいと思えるようになった。
父上と母上以上に
それほど想える人なんて、二度と現れるわけがないと思っていた。
だけど違った。
時は変わる。今も変わる。
過去は変わらずとも、今も変われば未来も変わる。
今も周囲の対応が変わらずとも、大切な人が…
寄り添ってくれる人がいるのなら、それが十二分に支えになる。
だから…
前を向いて、その過去も背負った上で
自覚した上で、一緒に笑ってやる。
共に、生き抜いて…
もっともっと、一杯楽しい時を過ごしてみせる!!
今度こそ…この手で掴んでやる!!
昔に描いた両方の夢(1198参照)も一緒に!(微笑)
(皆のいる前へ向けて左手を伸ばし、握り締める)
今ここに在る皆が指し示したチャンスを生かして
その皆が願う、『共に笑い合う未来』って奴を!!
恵土「にや)…今いくぞ!(真剣」
真剣な表情をして、前へ向けて皆と共に走る中
父上と母上の想いと考えを受け止めながら
それごとひっくるめた過去を思い返しながら
笑みを浮かべ
『今』が、どれだけ恵まれた『時』なのかを実感しながら
始祖神のいるであろう方向へ向けて
ただひたすらに突っ走っていく。
皆が待っている『未来』へ向けて
そこで待つ『希望』を、この手で今度こそ掴み取るために。
父上と母上の時には間に合わず、掴めなかった希望を
取り戻そうとするかのように…