第34章 未来の分岐点
恵土「本来ならば見えないはずのものまで
勝手に、この目から視えてしまってさ。
辛いし苦しいし、どうすればいいのかもわからなくなって…
自分を追いつめるしか出来なくなったんだ」
太刀川「なるほど、そりゃ辛いわ;」
冷や汗交じりに言う中
ベッドの横の椅子に座ると、視線をやっとこっちに向けてくれた。
恵土「知ってるだろ?私のサイドエフェクト…
視えちまうんだよ、見たくないものまで
聞こえちまうんだよ、聴きたくないものまで
感じてしまうんだよ、感じたくないものまで…
視えないようにしても聞こえる
聞こえないようにしても感じてしまう
感じないようにしても…色々と、さ^^」
笑いながらも、本当に辛そうに見えた。
2014年1月24日晩遅くに入院
俺が来たのは、25日の朝だった。
まだまだ弱ってるように見えていて
辛そうに、寝たまんまで話し続けていた。
体だけでなく、心までもが辛いってのが痛いほど伝わってきた…
恵土「おかしいんだ…
父親も母親も、こっちとは違っててさ…
なんか、こっちの方はさ
アニメとか漫画とか、そういう世界になってるみたいで…
でも、そういうことをやられてるってのは同じで…
何でかなあ…
DVし続けてきた父親が入ってきて
別居するからって、ものを勝手に取っていって
結婚してるから不法侵入にもならないで
そんでもって、誰にも心の苦しみは聴いてもらえないで…
もう、話すこと自体
永遠に出来ないまんま…死んでいくって思ってたんだけど…
気付いたら、こっちでびっくりだった^^;
でも抗生剤とか入れられて退院するんだろうけれどな(苦笑」
太刀川「パラレルワールドって奴か?」
恵土「頷)たぶんそう。
あっちじゃ、今でもずっと続いている。
お前たちみたいな理解者もいなくて、否定されてもフォローしたりしてくれる人なんていなくって…
同調して吹聴して
それが広がっていくばっかりでさ…
ちゃんと話したこともないのに、勝手に決めつけられてんだ…
いたらいたで、それなりの苦しみがあるんだろうけれど
いなかったらいなかったででも、それなりの苦しみってのがあって…」
その言葉を聴いた俺は…
なんとなくでだが、理解はできた。
苦しみってのは、永遠に離れられなかったわけだし