第34章 未来の分岐点
その背景には、一緒に満面の笑みを浮かべながら
肩を組んで笑い合う恵土と太刀川が。
太刀川「生き帰れよ、必ず…」
戦いながら、一つの言葉が呟かれる。
今までの想いと、願いを込めて…
あの当時、風邪をこじらせて入院した時
恵土は、精神的に参っていた。
過去のことを、夢に見て…
地獄も何もかもを通り越して、凄い悪夢だったそうだ……
昔の時、周囲から殺されかけて傷付けられ続けて
否定ばかりでハブられ続けているのが、現在に行われる夢だとかで…
その時に限って、目がすぐに覚めずに苦しみ続けていた。
目を覚ました時、誰かに話しかけられると
恵土「ぎょっ!!)!!
にん…げん」
後ろに後ずさりながら、恐怖で顔を歪ませながら
必死に距離を取ろうと、後ろに下がろうとしていた。
その時、俺は…
ただ和ませたくて、大丈夫だぞ?^^って言いながら
恵土を壁際に追い詰めて、優しく抱き締めながら頭を撫でた。
恵土「はっ!)…あ、ああ^^
大丈夫だ。ありがとう、太刀川」(微笑」
そう微笑んでいる恵土を見て、俺は安心した。
でも…
気付いてなかっただけだった。
それが、いつまでもあいつを苦しませていることに…
その中、恵土の頭の中では
その悪夢が故か、自分が存在している=悪と思い
自分を責めて責めて責め続けて…
気付いたら、ストレスを通り越して
風邪をひいて、それから風邪をこじらせて…
入院させられるぐらい悪化するなんて、思いもしなかった。
あの時、思ったんだ…
俺が、あの時にちゃんと聞いてやっていればって
でも、本人はあの時抱き締められて、本当に嬉しかったらしい。
けれど…意味ねえだろ。
それで入院するまでひどく思い悩んで、誰にも話さねえなんて…
辛いに決まってる。
思い思いは人によっちゃ違うだろうが
理解もされないまま否定され続けてきた痛みも苦しみも
今でも忘れきれず、今と重ね合いそうになってしまう。
今は違う。解ってる
それでも心がついていかない。だから苦しんでいる…
その連鎖が、いつまでも続いて
自らの心をむしばみながら、入院するまでに至った…